198 Fight Day and Fright Night 18
「しかしさっきの木刀もだが、今度はどんな魔球を見せてくれるんだ、時ピコよぅ~」
何で三木本までピコ呼びなんだ? さてはと見ると小鴎祝子の隣にいる新見朋子と平山今日子が露骨に目を逸らす。それならお前らも朋子と今日子で構わないよな。
魔球のネタはまだあるがこんなのはどうだ? そう言って私はデモンストレーションと断って打ちあげたフライのように空に向かってボールを投げる。15メートルほど上がったあと、ボールはホームベース上に落下して大きく弾んだ。
「なるほどな、確かに打ちづれぇわ。だがストライクゾーンを通るなら打てなくはないぜ」
それを見て三木本がにやっと笑う。なるほど三木本の武器も「目」か。ならば振って当てられたら私の負けでいい。そのかわり三木本にも賭けて貰うぞ。
「何をだよ?」
もちろん部長の役をだ。負けたら部長をやってもらう。
「か~そうくるかよ。やりたい奴が好きにすればいいと思ってたんだが……まあしょうがねぇか。しゃー来い!」
三木本がバッターボックスに入りバットを構える。それを見て私は再び空に向かってボールを投げた。そして落ちてきたボールに三木本がバットを振る!
「な、何がどう……ボールが弾まない……だと?」
空振りしたあとに三木本がホームベース上にぴたりと静止したままのボールを見る。
三木本はボールが弾んだ直後にボールを打つつもりだったんだろう。見てから振ったんじゃ遅いから当然予測してバットを振ることになる。ちゃんと弾めばだがな。手品が見たいというから遠慮はしなかったぞ。何と不思議なこともあるもんだなー(棒読み)。
それじゃあ頼んだぞ、新部長。グローブを三木本に預けてグランドを後にする。
「お、おう……だけどこれ、どうしたらいいんだよ?」
別に。普通に片付ければいいんじゃないか。普通のボールだし。
「普通? じゃあ何であんなことが起こるんだよ! 何か細工がしてあるんだろ?」
いやいや種明かしをしたら手品にならないだろう。はっはっは。




