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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
第3章 出発

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26話

 

 ――「……何、あれ」


 紫苑はマンションの屋上に隠れながら、黒光りする特大のモヤを眺め、そして驚愕した。


「……まさかあれ、全部?」


 予想できるモンスターは一種、『キラービー』と呼ばれる凶暴な肉食モンスターだ。


 普段は個別で狩を行うLv2のモンスターだが、群れる事でその危険度は跳ね上がる。


 もしあの馬鹿げた規模の中心に人がいるとしたら、例え一級調査員でも生きてはいないだろう。


「……」


 てかキラービーの縄張りに踏み込むとか、命知らんとも程がある。


 もしかしたら他県から来た調査員やったのかもしれへん。ほんせやけどアプリを見れば、事前に危険地帯を知る事が出来るのやから、自業自得や。


 彼女は哀れな同業者にから目を逸らし、その場を離れようとした。


「後で骨は拾ってあげ「ほんのりハチミツの香りぃいイイッッ‼︎‼︎」……は?」


 その時、羽音に混じって意味不明な言葉が聞こえたのだ。


「……幻聴?」


 ……いや違う。耳を澄ませば微かに聞こえる。誰かの叫び声。


 まさか。紫苑は躊躇いながらも、連続で()()()()し大群の五百m付近まで近づく。


 そのけたたましい騒音に顔を顰めながら、目を凝らす。


 すると、


「……何、あれ」


 透明な体液に塗れた黒い人型の何かが、中心で刀?を振り回し暴れ回っていた。


 恐らく刀、で合っていると思う。あまりにも振る速度が速すぎて、あれが何なのか判別がつかないのだ。


 彼を取り巻く刀の残光が、一秒に十数体の屍を生み出し大地に積み上げていく。


 その足元は今や、惨殺死体で埋め尽くされていた。


「アヒャヒャヒャ、ヒャッ‼︎」


「っ」


 ドンッ、という音と共に、蜂の大群が一瞬揺れる。

 彼の近くに居た蜂は粉々になり全滅だ。


 衝撃波。漆黒の全身。異常な強さ。……間違いない。



 あれが日本最強の男、――カオナシ。



「……」


 紫苑は興奮に口角を上げる。


 ずっと、話を聞きたかった。尋ねたい事があった。


 彼女はカードケースから、一枚の写真を取り出す。


 写真の中に写っていたのは、小学生くらいの二人の少女。


 仏頂面の紫苑と、もう一人。



「…………絶対助けに行くさかいに、待ってなよ」





 上品にはにかむ、紗命の姿だった。






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― 新着の感想 ―
[良い点] 紗命の、友人……? [気になる点] 大切なトラウマがぁー!!! また!作者に!!ほじくり返されるぅ!!!(予感) [一言] 人の心とか無いんか?(画像略)
[一言] まさかまさかの紗命の友人とはな。気が重たいな。
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