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あてがわれた個室にて、東条はベッドに寝っ転がり、大理石の天井を見上げながら腹をさすっていた。
「ふぃ〜食った食った」
ノエルはペルルに取られてしまったから、部屋には一人。
……ここ一ヶ月くらい、四六時中ノエルと一緒にいたからな。この静寂も、何だか久しぶりに感じる。
東条は体を起こし、ガチガチに固定されていた右腕のギプスを外す。
ペルルとの戦闘から六時間くらい経っただろうか。痛みもだいぶ引いてきた。
血の滲んだ包帯を外すと、最早傷がない場所の方が少ないのでは? というほど傷だらけになった腕が現れた。しかし生傷はもう塞がり、ひしゃげていた骨も元通りになっている。
流石ノエル、完璧な処置だ。
「フンっ、フンっ、フいでっ」
ブンブンと腕を振っていると、ピシッという嫌な音と共に痛みが走る。
流石に動かすのはまずったか。ノエルに怒られたくないので、右腕を庇って再び横になっておく。
東条は天井の明かりに右手を翳し、鼻で笑った。
「……折れてんじゃねぇよ、ボケが」
憎き宿敵から奪い取った骨。
頑丈さだけが取り柄だってのに、折れるようじゃ移植した意味がねぇ。
東条は手をグッパグッパと動かし、完全に一体化している現状に今更面白くなってしまう。
ノエルによると、今では腕や足だけでなく、全身の骨がカロン化してきているらしい。
流石レジェンダリー武器と言ったところか、正直今生きているのはこいつの特性のおかげと言っても過言ではない。
いつか三面六臂の化物になれる日が来るのだろうか? 楽しみだ。
東条はスマホを取り出そうとして、なくしてしてまったのを思い出す。
なくしたと言うか、深化した結果走ってに消えただけなのだが。
「……あいつら怒ってるだろうなぁ」
怒り顔の紗命と灰音を思い浮かべ、怒り顔すら可愛い彼女達に笑みが漏れる。
ここまでの大怪我を負ったのは久しぶり……でもないな。つい三日前に一度死にかけてたわ。
最近流石にはっちゃけすぎてる感は否めないからな、帰ったら家族サービスしてやらないと。
東条はボケーっと仰向けで寝たまま、天井のシミを数え始める。
……にしても、スマホもねぇしノエルもいねぇし、暇でしょうがねぇ。
「早く帰ってきてくれ〜〜」
部屋の中から響いてくる情けない声に、扉の外で待機中の監視兼護衛達が顔を見合わせた。




