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【加護の儀】、執り行います

 かかさま(魔神様)に伝言を頼んでから少しすると、男の子たちがワイワイ言ってる声が聞こえてくる。

とりあえずの腹ふさぎに、フィグの実を採って食べたみたい。みんなが『美味しい』ってはしゃいでいる声が聞こえてきて、思わず笑みがこぼれる。

『美味しい』は、幸せの言葉だね。


「うわっ!? なんすか、その恰好!」


 『失礼な』と文句を返す前に、兎人の彼はピニャーシュさんから拳骨を落とされた。


「今から【加護の儀】だというたじゃろうに。当然、儀式を執り行うのは神々の加護を強くうけた者の仕事じゃ」


 本当は、神職に就いてる人のお仕事だけど。

まあ、今回はわたし以外に加護者がいないし、かかさま(魔神様)が『問題ない』っていうので神職に就いてないけどやっちゃうよ。


「え、てことは神殿の人……?」

「ある意味では……」


 巫女&神官夫婦の間に生まれたからね。小神殿が実家でした。

ウソは言ってないよ?


「なにはともあれ、仮設だけど祭壇も用意したから【加護の儀】、やっちゃうよ~」

「っていうか、ホントに出来んの?」

「ノリ、軽っ」


 かかさま(魔神様)から、神楽を舞うようにとご注文が入ったので急遽ピニャーシュさんに鼓を用意してもらってクルクル踊る。

 まだまだヘタッピなので、足元ヨタヨタ腕はプルプルと見れたモノじゃないと思うんですが――なにやら神々サイドは盛り上がってるご様子です。

ご満足いただけたのならいいんだけど、「ジュギョウサンカン」とか「ハピョーカイ」って何ですか?

 とりあえず、創世四神のみなさまは勢揃いっぽい。

「オヒネリ」代わりに創世四神のみなさまからの祝福の光が降り注ぐのを、今日の主役四人がお口をパカっと開けて見上げている。


 コレ、普通の【加護の儀】とちょっと違うからね?

勘違いしないでね?


「これより、【加護の儀】を執り行う。マルコ、神前へ進み出よ」

「ううぇ!? 俺から?」


 進行役のピニャーシュさんに呼ばれ、イカ耳&股シッポで進み出てきたのは、兄ちゃんさん。

マルコって名前だったんだね。たぶん覚えた。


「神々への感謝とともに、自らの出生を奏上し加護を願いなさい」

「出生……? 奏上って?」

「生まれ育った国の名、両親の名とその息子であることを宣言して、十歳になったから加護をくださいってお願いするんだけど――」

「両親の名前、分かんねーよ」


 そんな気は、ちょっとした。


「じゃあ、両親の名は端折ろう」

「それでいいモンなの?」

「知らないものは報告できないし。仕方ない」


 本当は定型文があるんだけど、模範解答を書いて渡しても字が読めない気がするのでわたしの言葉を復唱してもらうことにする。


「我が名は、マルコ」

「我が? 名は、マルコ」

「バッジ王国の地にて生まれし男児なり」

「バッジ王国に生まれし男児、なり」

「齢十を超えし身なれど、創世四神の名の下、神々のご加護を賜らんことを願い奉る」

「よわ、十を超えし身、なれど? 創世四神の名のもと、神々のご加護、をたまわらんこと、を願いたて、まつる?」


 言い終わったところで、マルコはちょっと悩んでから膝をつき、頭を下げた。

下げられた頭にそっと手をかざすと、入れ代わり立ち代わり六色もの光が彼に降り注ぐ。


 マルコは、刀神さまのご加護とともに魔法がふたつに、スキルを四つも授かった。能力もずいぶんと高い。

すごいね、将来有望だ。


 彼の耳元でそっと、なにを授かったのか説明をして次の人にバトンタッチ。



☆★☆★☆★☆★☆★☆



 【加護の儀】の結果は以下の通り


マルコ  猫人 十歳  刀神の加護

     魔法   水G ・ 付与D

     スキル  直観F ・ 体術E ・ 刀術D ・ 料理E

     能力値  筋力D ・ 体力E ・ 知覚E ・ 知力F

          魔力E ・ 精神G ・ 敏捷E ・ 器用D


カルロ  兎人 十二歳  縫製神の加護

     魔法   水F ・ 氷G

     スキル  短剣術F ・ 軽業F ・ 縫製D

     能力値  筋力E ・ 体力E ・ 知覚E ・ 知力G

          魔力G ・ 精神G ・ 敏捷D ・ 器用D


ドメニコ 猿人 十一歳

     魔法   植物F

     スキル  体術G

     能力値  筋力G ・ 体力F ・ 知覚H ・ 知力F

          魔力E ・ 精神H ・ 敏捷F ・ 器用F


ルカ   鼠人 十三歳

     魔法   植物G

     スキル  育樹術E

     能力値  筋力H ・ 体力H ・ 知覚G ・ 知力E

          魔力E ・ 精神E ・ 敏捷F ・ 器用G



 なんと、兄ちゃんさんことマルコ君だけでなく、カルロさんまでが加護者として認められる結果になった。

ふたりとも、とても優秀。ピニャーシュさんいわく、ふたりとも精神力が低めだから打たれ弱かったり突発事項に対応しきれなかったりするかもらしい。

武術系の能力は言うことなしなので、鍛えがいがありそうだと笑ってた。

ふたりとも、強く生きてね。


 ドメニコさんとルカさんのふたりはとっても普通なかんじ。

だけど、二人とも植物魔法を授かっている上に魔力が高いから農家から引っ張りだこになりそうだね。

 特に、ルカさん。

育樹術のランクも高いから、きっとモテモテ。すごくモテモテるはずだ。マチガイナイ。

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