【合成】
魔石作成スキルで出来ることの一つに、【合成】という技術がある。
まあ、読んで名の通り。
複数の魔石をひとつにまとめる技術のことだね。HランクとDランクの魔石が大量にあるので、この技術を使っての魔石のランクを調整しつつ、魔道具作りをしています。
ちなみにわたしにとって入手しやすいのはDランクで、魔獣領域に少し入るとCランクが手に入れられる。
大神殿に近づけば近づくほど魔獣のランクは低くなるそうなので、ほんとうはHやGなどの低ランクの魔石の方がたくさん流通しているのかも。魔石屋さんで買う必要がないから、実際に流通量が多いものが分からないというのが本当のところです。
……どうしても、大急ぎで大金が欲しくなったら行くんじゃないかな。きっと。
なにはともあれ【合成】です。
【駆け出しマーケット】の条件を満たすためにFランクの魔石が必要だったから、この間、Hランクの魔石を使って百個ほど合成してみたんだよね。
Hランクの魔石を二つ合わせてもGランクにならないので、もう一つHランクの魔石を足してみたらGランクにしては明るい色になりすぎて困惑したのが忘れられない。
あ、魔石って、Bランクより上の等級だと大きさが変わっていくけれど、H~Cランクの魔石は色が変わる。
トリーからお餞別にもらった見本によると、Hから順に、黒→赤黒→赤→桃→白→透明の順番でCランクが透明に色合いが変わっていく。
BランクとAランクの判別は、丸が二つくりぬかれた木の板に通るかどうかで判別をつけるらしい。見た感じだと、Bランクは直径2.5センテで、Aランクが直径5センテくらいじゃないかな?
なんで低ランクの魔石は色が違うのかとかかさまに聞いてみたら、魔石化できなかった血液や体液の色だという答えが返ってきたんだけど――黒って、何の色なんだろうね?
なにはともあれ、Hランク四つで欲しかったFランクの魔石になったので問題なしです。
さて、なぜ魔石合成のことを考え始めたのかというと、アレです。
袋物のお兄さんから依頼のあったマジックバッグ用の魔導チップを作るのに、手持ちにないCランクの魔石と合成してみようかな~などと思ったから。いや、作ってないだけで、Cランクの魔石を作るのに必要な素材はあるんだけどね。せっかくなのでこの機会に、どういう組み合わせで希望の魔石が作れるかを調べてみるのもいいかなって……
半分以上、お遊びだともいう。
とりあえず今、わかっているのはこんなかんじだね。
・Hランクが2つだとGランクには少なくて3つだと多い
・Hランクが4つだとFランク1つ分
Hランクの魔石を1として合成していけば、大体正確な数字(?)をまとめられるに違いない。
たぶん、そう。
準備と手順は魔石を作る時とおんなじで、違うのは素材だけ。なので、準備も確認作業も簡単だ。
桶に魔力水を注ぎ込み、合成する魔石を二つ、水の中で握りこんでから魔石に魔力を注ぎ込む。そうすると、あらあら不思議。めったなことでは傷もつかないくらいにかた~い魔石が柔らかくなって、手の中で融合してしまうのです。
手の中の魔石が一つになったところで手を開き、お団子を作る要領で丸めたら合成魔石の出来上がり!
Fランクまでは分かっているのでサクサク終わらせ、Eランクになるまで、Hランクの魔石をひとつづつ融合させていく。
「Eランクにするのに必要なのはHランクが六個……と」
魔石を作るにせよ合成するにせよ、必ず手が濡れてしまう。かといって、いちいち手を拭いてメモ書きするのも面倒くさいんだよね。
なので少し考えてから、トリーの魔石見本と同じ順番で木の実の殻に使った分の魔石を入れることにした。
DランクにはEランクに二つ追加して、八魔石。
CランクにするのもDランクに二つ足した十魔石。
「これは、十に魔石でBランクになっちゃうかな?」
そう期待しつつ一つ二つと融合させていくけれど、今度はなかなか大きくならない。
最終的に、二十五個分の魔石を合成したところでやっと目標のサイズになった。Aランクに至っては、Bランク二つ分――魔石五十個分も必要だったから、Sランク以上の魔石がどのくらいの大きさなのかも分からない。
そのうち挑戦するかもしれないけれど、今すぐやる必要もないし一旦保留で。
というか、合成で作るとなるといったいいくつの魔石が必要になるんだろう? ちょっと頭が痛くなるくらい、たくさんの魔石が必要になりそうだなぁ……
「マジックバッグつくるのに最低でも六個必要だと思うと、ねぇ……」
とりあえず、Cランクの魔石を量産しよう。前ににぃにが、魔獣領域で乱獲してきたCランクさんたちを解体したときに材料は確保してあるからね。合成するより、普通に作ったほうが早いんですよ。
それが終わったら、袋物のお兄さんに依頼されたものに取り掛かろうっと。




