創世四神をご招待
とつぜんですが本日のお夕飯は、にぃにとわたしのふたりきりということになりました。まる。
というかね、ひどいんだよ。
ピニャーシュさんとロイさんのふたりが、夕飯をドタキャンしてきたのだ。
ピニャーシュさんはまぁ……お察しの通りでおねーさんと夜のらんでぶー。
んでもって、ロイさんはヒガシショユ村に冬季滞在中の狩人さんに誘われて飲み会へ……とまぁ、そういう理由だね。
情報交換の意味合いもありそうなロイさんの方はともかくとして、ピニャーシュさんはちょっとひどいと思います。プンスコプンプンプン。
でも、まぁね。
『人の恋路を邪魔するやつは技術神さまに刺されて死んじまえ』って言う言葉もあるくらいなので、そっと大量に余ることになったおかずの一部を持たせて送り出しましたとも。
「――というわけで、にぃにとふたりの時にしか出来ないことをしちゃおうかなって思って」
「私たちにお声がかかった訳だね」
「うにゃ」
ほら、アレです。
ピニャーシュさんもロイさんも、神気に耐性がないからね。普段は神々をご招待することができないんですよ。
【鍛冶場】にこもってくれてれば【お庭】の方にお呼びすることはできるんだけど――かかさまといっしょに食べたいからってふたりをのけ者にするのはちょっと違うかな―……と。
今日は本人たちの都合で居ないので、問題なしと判断しました!
「でも、たくさん連れてきちゃってごめんね」
「むしろ、歓迎です! 一〇人前食べる人が突然消えて、メチャクチャ困ってたので!!」
そう、ロイさんはふつうの大人の一〇倍食べる。いつもその量に合わせてご飯を用意するから、ドタキャンされると途方に暮れてしまうのだ。
なにはともあれ、わたしからのご招待に応じてくださった神々は、かかさまと理神さま、武神さまと森羅神さま。いわゆる創世四神のみなさまです☆彡
パチパチパチパチ♪
「それじゃあ、今回のメンバーを紹介するね」
そう言って、一緒に来た神々の紹介をはじめた魔神さまは、言わずとしれたわたしの守護神。
夜色の髪のきれいなお姉さんで、大好きです。結い髪がお会いするたびに微妙に違うおしゃれさん。
守備範囲は『魔』と名の付くもの全般と、お料理系。なので、癒食もかかさまの権能に含まれている。
「彼は理神。いろいろな調整役を買って出てくれている、私の伴侶だよ」
「昔名乗ってた情報神のほうが俺的には座りがいいんだけど……まあ、今は理神を名乗ってる。よろしくな、姫さんの神子ちゃん」
理神さまは、そんな魔神さまの旦那さま。ちょっと崩れた感じのにこやかなお兄さんだけど、たぶん真面目な顔をしたらかっこいい系なのでは?
ゆるっとくせのある暗めの金髪で、背丈はかかさまよりも低いっぽい。
守備範囲は摂理・倫理・知識などの頭脳系。趣味がお料理なので、ご加護を授かるとひっそり料理上手になるらしい。ただし、癒食にボーナスは付きません!
「お次は武神だけど、フェリシアちゃんたちはふたりとも知ってるから割愛で」
魔神さまの言葉に苦笑しつつ肩をすくめた武神さまは、にぃにの守護神さまだね。【鍛冶場】にもよく来ているし、たしかにお馴染みです。
赤毛ショートヘアーの、男性版魔神さまとでも言えばいいんだろうか? とにかく魔神さまと見た目が似ている。
守備範囲は戦闘関連に完全特化だ。ご加護に料理スキルは入っていないものの、ご本人はお料理上手なようで、にぃににお料理指南もしてるらしい。
「最後に武神の連れ合いの森羅神。運動能力には難があるけれど、そのぶん言葉の刃が鋭いから取り扱い注意! なーんてね☆彡」
「魔神ちゃん、ちょっとひとこと余計じゃない?」
魔神様を肘で小突きつつ頬を膨らませる森羅神さまは、武神さまの奥さまだね。
深い緑色のふんわりとした巻き毛が背中の半ばまでを覆っている、小柄で可愛らしい容姿のお姉さんだ。それでもわたしよりも頭一つ分は背が高いんだけど。
守備範囲は農耕・芸術・製造など。
……え? お料理……? んーっと、ウワサによると、森羅神さまのご加護を授かるとお料理スキルにマイナス補正がかかるらしいですよ?
具体的に言うと、五段階下降する的な……
「あたし、食い専なのよ」
「あ、はい。ゴメンナサイ」
今まで突っ込まれたことがなかったけど、神々には考えてることとか筒抜けなのかな?
森羅神さまからチロっと睨まれて、思わずビクッとしちゃったよ。
失礼なこと考えて、ゴメンナサイ。




