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役割分担

 最終的に今日の作業は、オオアマウコギの下処理をしつつ木の実の分別をして終了!

余った時間はピニャーシュさんといっしょに温泉に入ってから、お昼寝をして過ごした。

 温泉でチャプチャプしつつ、溜まりに溜まった野草の下処理とかの話をしたら、ピニャーシュさんにひどく心配されてしまった。

「一時にやろうとせず、ワシらにもできることはきちんと協力を求めるように」的なことまでいわせちゃって、心配してくれてるんだなーとか、見透かされてるぅ~とかで、ちょっと居心地悪い気分になったのは内緒だ。


 うん。体調管理と言うか、体力管理は余裕を持たねばだね。


 そんでもって、温泉に入る前に作った優先順位表を見せたら必要ない作業があることが判明したんだよ。

なんかね、ゴミ箱に捨てたものやおトイレの汚物、それから排水は自動的に【お庭】に必要な栄養素とかになるっぽい。

ゴミ箱にそういう注意書きがされてたなんて、わたし、全然知らなかったよ……


 まあ、肥料作るのってけっこう大変だからね。やらなくて済むのはすごく嬉しい。


「え、お料理に骨を使うの?」


 お夕飯の席で、骨スープを作るために解体した魔獣の骨がほしいと申し出ると、にぃに(・・・)は不思議そうな顔して首を傾げた。


「うにゃ。干したアルキノコみたいに良いお出汁がとれるんだよ」

「なるほど。それなら、フェリシアが使わない分だけ回してくれればいいよ」


 わたしの説明に、男三人、揃ってびっくり顔。

いや、にぃに(・・・)。武神さまからお料理指南受けたんだよね。

お出汁の話とかでてこなかったの? と、こちらのほうがビックリですよ?

 とはいえ、案外あっさりと了解が出てそういう意味でもビックリだ。


「でも、にぃに(・・・)も使うんでしょ?」


 なんに使うのかは知らないけど、毎回【鍛冶場】に持ち込んでるのは知っている。


「希少鉱物の抽出はしてるけど、血液からも抽出できるから……血も使う?」

「ソレはいらない」


 どう考えても美味しいものができる気がしない素材なので、きっぱりとお断りしとく。

いらないよ、にぃに(・・・)。ホントにいらないからね?


「ところで、血液からも希少鉱物というのが採れるの?」

「希少鉱物はほとんど含まれてないけど、鉄は採れるね。ものすごく少量だけど」


 詳しく聞いてみたら、どうやらにぃに(・・・)は廃材の類から抽出した金属を集めるのが楽しいだけらしい。いわゆる趣味(?)というやつなのかもしれないけど、よくわからないな……?


「フェリシアが野草を山積みにしてニヨニヨしてるのと一緒だと思う」

「……食料調達と同列にされるのは釈然としないんだけど」


 抗議しつつ口を尖らせると、クスクス笑いが返ってくる。

にぃに(・・・)の笑い方って、ちょっとオカンに似てるんだよね。もしかしたら、大神殿では大口開けて笑っちゃいけないみたいな規則でもあるとか……?


 神殿に居る沢山の人がクスクス笑ってるところを想像してみたんだけど――あれ? なんか、感じ悪くない?? 絶妙に嫌な気分になって、考えるのをやめた。

 コレはアレだ。

ゴマ虫(ありんこ)を一匹眺めている分にはいいけど、虫の死骸に大量にたかってるのを見ると「うわっ!!」ってなるヤツ。クスクス笑いも単品ならいいけど、大量摂取はしちゃダメなヤツだね。


「なんか、変なこと考えてない?」

「ちょっと、ウゾウゾしてるゴマ虫が頭の中に……」

「ええ? どうして急にゴマ虫なんて思い出したの」

「さぁ……?」


 にぃに(・・・)のクスクス笑いからの連想だなんて言えなくて、笑ってごまかす。さすがにね、傷つくだろうな―って思うんですよ。

わたしだって同じようなこと言われたら、泣く自信があるし。


「お嬢のリストを見た感じ、俺がやれそうな力仕事も結構ありそうだ。指示してくれれば手伝うぞ?」

「うにゃ。ロイさんには狩りのあとの解体時に部位ごとに分けてマナラップするのをお願いしたいの。マナラップは、できる範囲でいいよ」

「了解」

「ならば、ロイが残した分はワシが担当するかの」


 ロイさんは他の人と比べて、魔力が少ないからね。ピニャーシュさんがお手伝いしてくれるならなんとかなるはず。

 マナラップし終わったお肉は、地下の食料庫に種類別に保管することにする。

今はにぃに(・・・)が量産してくれている金物のバットに積み上げるしかないけれど、街にいけたら大ダルを手に入れたい。タルなら大量に詰め込めるし、マナラップをかける回数も減らせるからね。


「そしたら、僕は引き続きナベとバットの量産か。あと、搾油用の道具も必要かな」

「うにゃ。搾油の方は獣脂も使えるから急がないよ」

「ん。あ……木の実を干す場所も作らないと」

「ザルでも編むか、地面に撒けばいいかな―と思ってたんだけど……」

「地面はやめたほうが良いと思う。ここでやると、まず間違いなく芽が出て森ができちゃうし」

「……おおう」 


 確かに!

更に言うなら、うっかりランチュウに食い尽くされそう。


「干し場も作るから、それまでは分別だけしといてくれる?」

「うにゃ。りょーかいです」


 なんか、ゴハンを食べているうちにどんどんと役割分担が決まっていく。

作ったリスト内で、わたしがしなきゃいけない仕事がメチャクチャ減ったよ。残っているのは、野草の下処理と木の実のアク抜き。それからスープベースの作成だけだ。


「なんか、わたしのお仕事。自分の好きな作業だけなんだけど……」


 それはちょっと後ろめたい。

困ったなとみんなの顔を見回すと、「全員分の食料調達だから問題ない」と三人揃って苦笑した。

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