↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/161

シフトと軽食メニューのご相談

「それで結局、お惣菜まで販売することにしたの?」


 お夕飯の席で、リリーに栗鼠オバちゃんのリクエストの件を暴露された。

そして、ソレを聞いたにぃに(・・・)の第一声がコレです。


「いちおう『検討します』と言って逃げた……」


 つもりです。


「間違いなく、相手はメニューを考えるための準備期間だと思ってるだろうね」

「いやいや、無いでしょう。さすがにそれは」


 無い……よね?

だって、やんわりとお断りしたもん。


「え? ウチ、『あ、やるんだ』って思いましたよ?」

「またまた、リリーまで……」


 冗談はやめてほしい。


「そもそも、軽食に手を出すのはもっと後に回そうって言ってたのに、僕が国神さまの依頼の下調べに行ってる間にやることが決定してたし。だから反対してたのに……」


 いや、ソコに関しては客引き的な方向で有効だなーってことで、みんなが合意してくれたからでね?

わたしがどうしてもやりたいって騒いだわけじゃないんですよ。……言っても聞いてくれなそうだから、今は黙っおくけど。


「グラジオラスさま。その件に関しては、他のメンバーの希望も大きかったので、フェリシアさまをお責めにならないでください」

「クリス……」


 クリスさん!! 天の助けよ……!!


「とりあえず、いまさら言っても仕方ないから置いとくとして。今日はご飯のあとでフェリシアがどの時間帯に仕事に入るか決める予定だったよね。ソコに関してはどうするの?」

「うにゃぁ……」


 ええ……? お惣菜までやるつもりなんてなかったから、考えてないですよ?


「シフトに関しては、フェリシアさまにはお昼固定でお願いする予定だったのですが……」


 クリスさんが立てていた計画では、朝のテイクアウト担当はスープ担当のパオロとサラが売り子に入る。

昼に串焼き担当としてわたし、リリーとパルミラちゃんが売り子に入る。夕方は作り足しはしないので、お料理ができないダニーロとクリスさんだけでも問題ない――という予定だったらしい。

 ちなみに、武具や雑貨に関しては朝はあまり人が来ないのでお店は開けず、昼にピニャーシュさん、夕方にロイさんが担当する。こっちは、特にいじらなくていいんだけど――


「今の話からすると、フェリシアさまは夕方に入っていただいた方が良さそうです」

「そのココロは?」

「先ほどの話から、お惣菜は作り足しが必要になるからです」


 まさか、シフトに入ってからずっと料理を作り続けろ、と……?

というか、アサイチで軽食を作ったうえでお昼過ぎから夕方まで料理をするのは、ちょっと――いや、かなり嫌なんですが……?


「あとは昼をどうするかなんですが――」

「はいっ!」


 そこでマルコが、勢いよく手を挙げた。


「オレ‼ オレ、昼の料理番やりたいですっ‼」

「……フェリシアさま、ご意見お願いします」


 ご意見って、マルコが昼の食べ物係をこなせるかどうかってことでいいのかな?


「お会計には不安があるけど――」

「うぐぅっ!?」


 ごめん。

でも、マルコ。まだ読み書き計算、苦手だよね?

出来ると言っちゃうと、お会計の仕事もしなきゃいけなくなるので苦手申告は必要だと思います。


「串焼きと具沢山スープはきちんと作れるようになってるよ」

「では、昼の軽食はマルコにお願いしましょう」

「っ! 喜んで‼」


 という訳で、お昼のシフトにマルコが入ることになった。

解体スキル上げをしてたはずなんだけど、そっちはお庭でヴェルリーリョの皮むきをすればいいらしい。


 その行為で上がるのは、お料理スキルじゃないの?

解体スキルもちゃんと上がる? 大丈夫??



☆★☆★☆★☆★☆★☆



 食事を終えたあと、改めてシフトの確認をしてからマルコと額を突き合わせてメニューについて話し合う。

パオロの方は、作れるものが限定されるので、今まで通りにポタージュスープとホットミルクに専念してもらう予定です。


「で、マルコが作りたいモノはある? 朝も昼も、割と肉が人気っぽくはあるけど、マルコが作りたいモノだったらなんでもいいよ」

「肉で。オレも、肉食なんで」


 まあ、お肉は美味しいからね。


「魚はやめときます。自分で食いたいし」

「分かる。魚介は避ける方向で」


 さり気なく、エビカニ系も除外する。


「定番は肉串だけど、肉野菜炒めとか、思い切って肉丼なんてのもアリだと思います」

「肉丼、イイですね」

「イイよね。ガッツリと、お腹に溜まる感じがすごく」

「でも肉丼だと、器が必要になりません?」

「グレイントレントの殻が使えるんじゃないかと思ってるんだけど、どうかな?」


 グレイントレントには、大型種の大人の手のひらサイズの実が生る。

グレイントレントの実には、収穫時にはほぼ水分しか入っていない。これをひと月ほど天日干ししてから割ると、たくさんの粒が入っている。

コレがいわゆる○○麦と呼ばれる――普段、わたしたちが銀麦とか白麦と称して食べている主食だね。


 で、今回使おうと思っているのが、銀麦や白麦が詰まっていた殻の部分。

これなら、いくらでもと言わないまでもそこそこの量があるし、農村だとポイ捨てされる代物です。お安く仕入れることもできるはず。


「一時的しのぎにはちょうどいいと思うんだ」

「無くなったら?」

「『包み蒸し』、かなぁ」


 葉っぱに包んで蒸した、炊き込みご飯なヤツ。

肉串の売れ行きも悪くないけれど、定番の品だからね。お昼や夕方にはライバルも多そうなので、朝だけにしてみようかなという作戦です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。