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にぃにの感想

 にぃに(・・・)たちが国神さまの修練場から帰ってきた。

出かけて行ったのが朝食後だったのに、お昼ご飯に間に合う時間のご帰還なので、大分ダメな感じだったんだろうね。コレは。

にぃに(・・・)なんて、ゲンナリした表情を隠そうともしてないし。


 とりあえず、お昼を食べてから順番に話を聞いてみることにした。

お腹が減ってると、どうしても思考が物騒になりがちだからね。お腹にモノを詰めてもらわねば。

後回しにするとめんどくさそうなので、にぃに(・・・)から。


 なお、にぃに(・・・)の現在の力量は、こんなかんじです。

【刀術C】【体術C】【弓術B】【槍術G】と、技術面では成長途上。

刀術と槍術に必須の筋力がCだけど、他はAランクと身体能力的にはほぼ出来上がっている状態だ。

たぶん、結構強い方なんじゃないかな?


「アレは、ダメだと思う」


 さて、お話を聞くぞと別室に向かったら、開口一番にこんな言葉が飛び出した。


「そっか」


 たぶんそうなんだろうなって思っていたので、ひとつ頷く。


「で、どんなところがダメだったの?」

「とりあえず、修練場の足場が良すぎる」


 ……足場は良い方がいいのでは?


「あと、やたらと大きくてドンくさい灰チューしか出てこない。しかも、一匹づつ」

「一匹しか出てこないの?」

「倒すと次のが出るんだけど――ひたすら灰チューだけ。すごい飽きる。弱すぎて手ごたえもない。たぶん、魔獣ランクはHだと思う」


 灰チューは、ヒガシショユ村で魔石を作る練習をするように捕まえていたネズミ系の魔獣のことだ。

人里にしかいない極小サイズの魔獣で、ランクもHとかGくらい。大きさも五センテ~十センテ程度とちびっこい。にぃに(・・・)が身振りで教えてくれた大きさはウノピョンくらいなので、修練場用に作った魔獣かな?

 動きが鈍くて一匹づつしか出てこないということは、低ランクの人向けなのかもしれない。


「にぃに(・・・)としては、『強い魔獣』『複数との戦闘』『実戦を模した環境』が希望、みたいな?」

「……そうだね」

「お小遣い稼ぎに使われてるって言ってたけど、そっちは?」

「倒すたびに、Hランクの魔石がひとつ手に入る。今回は二回利用したから二百個手に入って、百六十ラーメの稼ぎだね」


 ってことは、一回あたりの収入は八十ラーメだね。

いちおう、一度修練場を利用すれば、雑魚寝の大部屋でその日暮らしは出来る計算ぽい。


「結構早く帰ってきたけど、回数制限とかは?」

「特になさそうだったかな……」


 弱いとはいえ、ひたすら魔獣を何十匹も倒すのは体力的に厳しそうだし――回数制限がなかったとしても、一日に四回も挑戦できればいい方かな。

それだけ挑戦できれば、もう少しましな宿に泊まりつつ、少しずつでもたくわえを増やせるだろうね。


「あ、あと――」

「うにゃ?」

「国神さまには集団戦の概念がないっぽい」

「というと?」

「二回目は、カルロとマルコの手を取って一緒に入ってみたんだけど、それぞれ別空間に送られた」

「そしたら、『集団戦の訓練』も希望に入れておこうか」


 にぃに(・・・)の中で、『複数との戦闘』と『集団戦』は違うものっぽいね。

念のため確認してみると、どうやら前者が自分vs複数で、後者が自分&仲間で複数or強敵一体って方向らしい。なんと、ひとつの不満点に、二つも改善事項が盛り込まれてたよ。


「すでに、五つも改善希望があるんだねぇ」

「でもこれって、僕にとっての不満事項だよ。他の人は別の不満があるんじゃない?」

「だからこそ、カルロとマルコの意見も聞かないとね」


 ふふふん、その辺りはもちろん織り込み済みです。

ひとりの意見だと、どう考えても偏るからね。いちおう、力量に差のある三人に試してきてもらったんですよ。


「次はカルロから聞くつもりだけど、にぃに(・・・)も同席する?」

「うん。じゃあ、カルロを呼んでくるよ」


 念のためカルロの話を聞く場に誘ってみた結果、にぃに(・・・)も同席することになった。


「カルロに質問はしてもいいけど、意見はしないようにね。にぃに(・・・)」

「分かってるよ」


 カルロを呼びに行ってもらっている間に、わたしは希望事項のメモをまとめた。


 にぃに(・・・)の希望は、『強い魔獣』『複数との戦闘』『実戦を模した環境』『多数vsひとり』『強い魔獣一体vsパーティ』『多数vsパーティ』ってところかな。


 ……ずいぶんと多いね。

灰チュー

いわゆるドブネズミ的な、ちょっとバッチそうな色合いの灰色ネズミ。

トリーの家では一ラーメで買取をしていた。

衛生的な問題で、食用には適さない。

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