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浜遊び 2

 休憩所の中に、テーブルとイス代わりの木箱や樽を出し、コップ代わりの木の実の殻を出しておく。

飲み物とおやつ代わりのフルーツは、真ん中をへこませた氷に入れた水の中に浮かばせた。


「さっき朝ご飯を食べたばかりだから、温かい系の軽食を用意するのはまだ早いかな」

「今日はみんな、食べすぎちゃいそうですね」

「たまにはいいでしょ」


 サラさんとふたり、顔を見合わせクスクス笑う。

尻尾の揺れ具合からして、サラさんも心からリラックスして今の状況を楽しんでいるのが分かる。すこし、自信なさげなところがあったから心配だったんだけど、奴隷船を出てから積極的にいろんなことに手を出して、何か意識が変わったのかも。


「フェリシアさま~!」

「なにこれっ!?」

「なんか、すげー!!」

「きれ~だね~」


 フォレルーポたちの砂浜ダッシュが終わったようで、七歳以下の四人組が戻ってきた。

サラさんの作ってくれた日よけは幻想的な美しさだから、みんな大興奮。アリーチェちゃんは、淡く揺らめく動きが気に入ったみたい。色合いの移り変わりを追いかけてクルクルしている。


「幻影魔法の日よけだよ。サラが作ってくれたの」

「サラねー、すげー!」

「すげーな、サラねぇ!」


 チビッ子たちに褒めたたえられて、サラも満更でもなさそうにちょっとくすぐったそうな顔で笑う。

最初の頃よりも、自然な顔で笑えるようになった彼女は年上なのにずいぶんと可愛らしく見えた。


 サラがチビッ子たちといっしょになって砂の上に絵を描き始めるのを眺めつつ、昨夜のうちにコルルーポたちが獲ってきた獲物の確認を始めることにした。

試食を兼ねて、お昼ご飯に出したいんですよ。

 食べられるものの中でもお手軽サイズは氷のお船に投げ入れ、大きめなものもここにポイ!

解体しないと食べられないサイズのものや、皮やヒレに毒があるものは空いているマジックバッグに移動する。どうやっても食べられないものはそのまま残しといて、あとで【お庭】のダストボックスに入れてしまえばいいよね。


 貝拾い組がもどって来るころに、なんとか一袋分のチェックが完了。

タイミングがとてもいい。


「じゃあ、ゆっくりと数を数えるから、声に合わせてそれぞれ拾った槍貝をこの樽に入れてね」

「「「「「「「はいっ」」」」」」」」


 海水が半ばまで入った大きな樽は、人数分用意した。

なにせ槍貝は、太さが直径三センテで長さ五十センテ前後というなかなかのサイズ感。氷のソリを牽いたミルギューを回収に向かわせて正解だったっぽい。思った以上に山盛りになっていて、少し乾いた笑がでちゃったよ。


「では、いーちー」

「にーぃー」

「さぁーんー」


 数えるたびにひとつ入れるのを繰り返していくうちに、百十九でひとり、百二十一でまたひとりと、貝を投げ込む手が止まっていく。最後まで残ったのは狐人のダニーロと兎人のカルロのふたり。


「ひゃくろくじゅー」

「ああっ、カル兄に負けた~!」


 最終的には、カルロが百六十九個で勝利した。


「やったっす~! 今日は、Cランク肉の唐揚げ祭り開催決定っす~!!」


 うん?

待って。唐揚げ祭り、とは?


「Cランクのお肉、一種類というお約束では?」

「せっかくだからさっ、フェリシアさまっ!」


 『ね、ね? おねがい!』と参加者全員におねだりされて苦笑する。

コレ、誰が勝っても同じメニューをおねだりする予定だったね?


「しかたないなぁ……今回だけだよ」

「「「「「「「やった~!」」」」」」」


 実際問題、こういう機会が次にあるかもナゾなのですんなりと折れることにした。

いや、だってさ。目的地まであと数日だと思われるので。


「それじゃあ、この後はそれぞれ好きに遊んでいいよ~!」


 フォレルーポたちに追加で浜辺を数周してもらったので、もう、隠れている槍貝もいないだろう。

チビッ子たちに改めて『海に入らないこと』『フォレルーポの囲っている範囲からでないこと』を約束させて、浜遊びに送り出した。


「昼飯の準備、しますよね」

「オイラも手伝うっすよ」


 歓声を上げて走っていくチビッ子たちをわたしと一緒に見送ったのは、加護済みの四人組。

その中でも、マルコとカルロはお昼を用意するお手伝いをしてくれるつもりっぽい。こちらとしても、下ごしらえの手が増えるのは嬉しいのでありがたく好意を受け取ることにする。


「じゃあ、アタシはチビたちのお相手をしています」

「うんだぁな」


 さすがにチビッ子たちだけで遊ばせておくわけにはいかないだろうと、サラさんとルカさんはチビッ子たちについててくれることになったから、そっちの方も安心、かな。

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