第5話 帰宅
─あれ?いつの間に話が進んじゃってるじゃん!
どこまで解説したか分からなくなったじゃん…
別にナレーションをサボっていた訳では無いぞ!
……ナレーションなしの方が、これはこれで良かったりして。
「"万物を導く時よ、我が声に応えよ。我が望みは、時の凍結なり。我ここに命ずる。時よ止まれ。"」
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また意識がもうろうとしてるのじゃ…前回よりマシではあるが。もしやまた時が止まったのか?
「うむぅ…どうなったのじゃ?」
「ワタシったらバカ…!…あっ。
ついやる気になってまた時を止めてしまいました。すみません…!
ちなみに今回は10秒止めました。」
「そうかそうかぁ…」
やけに長い呪文じゃったなぁ。それにしても、ミライが呪文を唱えている時、何だか楽しそうじゃったのう。魔法を使うと人格が変わるタイプなのかもしれぬな。
「この"時間操作魔法"なんですけど、呪文じゃなくても発動できるんですよね。」
「…え、そうなのか?」
「ワタシは決めてないんですけど、魔法の名前を決められるんです。」
「ええっ決めてないんですかー?呪文を唱えてる時に攻撃されたりして危なくないですかね?」
「リリーさん、あなたは呪文の良さに気づいていないようですね。
呪文という、やたらと長くてカッコイイこと色々言ってるけど絶妙にダサいものを感情込めて唱えた後の魔法はもうすごく爽快なのですよ!!!」
むちゃくちゃ早口?!
「へ、へぇー!そうなんですねー!」
リリーは何か引き気味じゃな。
「ではフォルテさん、貴女にはまず、
"時間操作魔法"を習得する前にやらなくてはいけないことがあります。」
私はどうやら、魔法に適応しづらい体らしい。
ほんの少し時を止めただけで意識がもうろうとするくらいだしのう。
そこでまず、ミライから魔法への適応力を学ぶこととなった。
「いいですかフォルテさん、
まず手始めに"瞑想"をおこなってもらいます。」
「"瞑想"…?」
「"瞑想"とは、その場に座り込んで、考えていることを全て捨てて呼吸に集中する。
といったものです。」
「なるほど。…よいしょっと。
こうで良いのか?」
「はい!そのまま目を閉じて、雑念を捨てるのです。あと寝てはいけませ…」
「……くかー。」
「フォルテさんっ!起きてくださいっ!!」
「…はっ!しまった、うっかり寝てしまった。」
うっかり眠ってしまわないようにするのが、まず手始めじゃな…
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フォルトナが瞑想を始めてから3日後
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「フォルテさん、今何が見えてますか?」
「時の流れのようなものが見えるのじゃ。」
「そうですか。…って時の流れですって?!」
「何か問題でもあるかのう?」
「フォルテさん…それもう、"瞑想"の修行は合格ですよっ!」
「おおそうなのか!やったのじゃ!」
「よし、では次の段階に進みましょう!」
「次は、"瞑想"をすることなく"時の流れ"を掴む修行です。」
「時を、"掴む"じゃと…?」
「そうです。これが出来ると、時間を止めたり巻き戻したり、進めたりできます!」
─つまり、あと一歩ということじゃな!
「よし、やってみるかの!」
…ガシっ。……ガシっ。
「フォルテさん、時は物じゃないんですから、そんな事しても掴めないですよ。」
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「くうぅ、時を"掴む"のは流石に難しいのう。」
「あっ、フォルテちゃん、ミライさん!せっかくだからベリアル王国でご飯食べない?」
「おお!いいですねー。行きましょう!」
~【ベリアル王国】~
「おおっ!久しぶりじゃのう。」
「確かに一週間くらいは森の中だったもんねー。」
「ワタシは王国に来るのは、約二年ぶりでしょうか。」
「そういえばミライさんの出身はどこなんですかー?」
「ワタシの出身は、ベリアル王国から遠く離れた国です。地図で言うと、南東の国ですね。」
「そういえばベリアル王国は北の国だと聞いたが?」
「もしかして旅をしてるんですかー?」
「ふっふっふ。その通りですよ。
知ってましたか?旅は一生飽きないものなんです…!」
旅か…色んな国や色んな場所を訪れたりするのは、確かに楽しいじゃろうな。
~【国王"お墨付き"の宿屋】~
「ただいまなのじゃ、マスター!」
「あらフォルテちゃん、おかえりー!
ところでー、そちらの方々は?」
「ベリアル王国騎士団の、魔道士リリーですー!」
「ワタシはミライ、旅をしている者です。」
「ふふっ、今日は可愛らしい人達が集まったね。アタシのことは"マスター"って呼んでね!」
マスターは長年この宿屋で働いているそうだが、なぜか若い。若すぎるのじゃ!
今の私と同じように幼女の見た目をしておる。
しかし心はベテランなのだろう。
あと、私はまだマスターの本名を聞いていない…!というかむしろ言ってくれないのじゃ!
…まあ、それはともかく、
「よし、皆でご飯食べるのじゃ!」
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世界の創造主たる女神フォルトナが世界に舞い降りて、仲間と共に楽しくまったりと過ごすことになるとは…
天界での私には到底ありえなかった話じゃな。
ありがとう、地上の人間たち。




