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チュウの過去 1

背が高く、地方弁を話すことでクラス1の

人気者になったチュウ。しかしそれをよく

思わない悪ガキの悠馬は放課後、チュウを

呼び出した・・・。

隣の転校生。


(でかいな・・・。)


周りの生徒も宙耶の大きさに驚きを隠せなかった。


クラス1の悪ガキ、伊藤悠馬さえ・・・。


その後、宙耶は地方弁をイジられながらクラスと馴染んでいった。


俺も宙耶と話すようになり時間がたつにつれ俺たちは互いをあだ名で呼ぶまでになった。


俺は「チュウ」、彼は「さとっちゃん」。


そしてチュウはクラス1の人気者になった。


それを見ていた悠馬は放課後、チュウを呼び出した。


「なぁお前調子良いみてぇじゃねーか。」


「別に・・・普通だっぺよ?」


チュウの自然体過ぎる様子にいらいらし始める悠馬。


「普通か・・・。お前の中ではそうかもしれねーけどよぉ。俺たちからにしては

ちょっと違うかなーて思ってよ・・・。」


そう悠馬が言った瞬間、彼の仲間らしき奴らがうじゃうじゃと後ろから出てきた。


チュウもその異様な空気におじけづいた。


「みんなでお前を調教してやるよ。」



学校内にて


「チュウ、帰ろうぜぇ~~・・あれ?チュウ?」


(あれ?なんでいないんだ?トイレか?)


しかしトイレにチュウの姿はない。


「なぁ、吉見。チュウ見てない?」


「あぁ宙耶?なんか悠馬に呼び出されてたぜ。ありゃやばい感じだな。

悠馬とあと8人くらいいたぞ。ほらあそこだ。・・うわ・・・。」


「!!」


そこには悠馬とその仲間達にぼこられ傷つくチュウの姿があった。


「チュウ・・・あいつら!」


なぜ悠馬がチュウをおそっているのかは三島にはわかっていた。


「おい暁!!やめとけって!」


「あいつらチュウが人気あるのが羨ましいからって・・ゆるせねぇんだよ。

このままだったらあいつ・・・誰とも喋らなくなる・・。」


三島はそう吐き捨てて、チュウの元へと走った。


助けられるとはこれっぽっちも思っていない。


三島はただチュウを守りたかっただけだった。


「お前ら・・やめろよ!」


(言ったぞ・・。もう俺はあいつらを敵にまわしたことになったんだ。)


「は?誰だよテメェ。」


「あいつだよ、三島。影の薄い・・。」


「俺なんか影すらみえねぇっつの。」


「ぎゃははははは!!」


悠馬たちは三島をからかった。三島は自分が惨めに見えて


今にも泣き出しそうだった。


「あ?泣くのか?泣くのか?」


「・・くっ・・うっ・・・。」


泣き出した三島を見たチュウはいままでにない怒りをおぼえ、


蹴られた痛みをも忘れて悠馬たちに襲い掛かった。


「うおおおおおおおおおお!!!!!!」


「な、こいつ!!」


そのでかい体だけに悠馬たちは逃げることしかできなかった。


その時のチュウの強さはまさに鬼。そのものだった。


「くっそ・・。」


「さとっちゃんを・・・ばかにしやがってからに・・!!ゆるさねぇぞぉ!!」


「ややや・・やめろ・・やめてくれぇ!!!!」


このままだったらチュウの豪腕パンチが悠馬の顔面にぶちあたる・・。


チュウはとめようなどとは考えていない。しかしあれほどの力が


小学生の顔にあたったらひとたまりもない。三島はおもいきり叫んだ。


「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


「!!!!!!!!」


「!!???」


チュウのパンチがピタッと止まった。


「へ・・へぇあぇ・・・・。」


悠馬は腰を抜かし、今にもちびりそうなほどだった。顔も真っ青だ。


「はぁ。はぁ。はぁ。」


チュウはわれに返ったかのように右手を見た。


「チュウ・・。」


三島もいつもとは違うチュウの姿を見てちょっとした衝撃を受けた。


「ば・・化け物か!!」


悠馬はそう吐き捨て、走り去っていった。


そしてチュウもその瞬間、しゃがみ、泣き始めた。


「・・もうだめだ俺・・。ほんっとに・・。」


そう言ったっきり、チュウは黙り込んでしまった。


三島はチュウを励まそうと声をかけた。


「おいチュウ・・。ありがとな。俺のために・・。」


「・・・どんな理由だろうと暴力はだめ・・。」


「・・・・なんでそんなに暴力を拒絶すんだよ?」


そう三島が訪ねると、チュウは立ち上がり涙を拭い、語りだした。


「俺、実は田舎から転向してきたわけじゃないんだ。生まれは東京、ずっとそこで

生活してたんだ。でも俺、父さん蒸発して母さん倒れて入院してさ、半分

自暴自棄になってて万引きとか学校サボったりとかけっこう悪いことしてきたんだ。

だから俺かなり学校側に嫌われてて、完全に自分の居場所なくしたんだ。」


突然共通語を話し出したチュウは別人のようだった。


「そしてそのとき、俺の母さんはもう助からない病気にかかっていた。

余命は3ヶ月・・。俺はもう生きる希望すらなくした。

そして俺はそこである人に出会った。病院からの帰り道、暗い十字路で

黒いスーツきた男が40ぐらいのおっさんをおんぶってたんだ。

おれは怪しいと思ってそいつについていったんだ。

そして俺はそこで見てはいけないものを見た。」


「見てはいけないもの・・?」


「・・・・。」



その時点でおれはチュウがただの小学生ではないと知った。










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