チュウの過去 2
「見てはいけないもの?」
三島が訪ねるとチュウはすこしだまって再び口を開いた。
「スーツの男は周囲に人がいないか確認した後、背負っていたおっさんを
おろしてポケットからあるものを取り出した。それがなんなのかおれには
よくわからなかった。でも確かにアレは何かの薬だった・・。」
チュウは震えている。拳も力いっぱいに握り締めている。
おそらく彼にとってそれはとても大きなできごとだったのだろう。
三島はそう思った。
「薬って・・覚せい剤か?」
三島がそう訪ねるとチュウは圧力のある声で言った。
「ちがう!!」
「!!?」
チュウは動揺していたのか、われに返ったかのように急いで訂正した。
「あ・・ごめん・。あ・・続きな・・。お・・れ・・・みしまっちゃんだけには
どうしても知ってもらいたいんだ・・・。きっと・・わかってくれると思って・・。」
信頼・・・。これが信頼ってものなのか? なんだろう・・・嬉しい・・。
友達って・・・きっとこういうものなんだろうな・・・。
友達がいなかった三島にとってこれはとても嬉しいことであった。
「俺、チュウがいなかったらずっと友達できなかった・・・。
それで、俺・・信頼なんて・・・本当に・・遠い言葉でさ・・
なんていうか・・・嬉しいんだ、俺・・。だからさ
もっと俺を頼ってよ。何もできないけどさ、俺、チュウを助けたいんだ。」
お互い初めての友達・・・。 分かり合えないはずがなかった。




