脱出作戦
林あてのデジタルノートを改造し処刑場の
各部屋の監視カメラをハッキングしようと
行動に出た三島。また、旧友の中村と
偶然再会し、物語は急速に進む!!
「よし、できた!導入できたぜ!」
三島はあっという間にデジタルノートを改造して見せた。
作業中、三島は本当にここから抜け出せる!
そう思ってならなかった。
「すげぇよ・・暁。まじすげぇよ。」
「あとはウイルスの作成だ。」
「!?ウイルス?犯罪だぞ。それ・・。」
「しかたないさ。俺達は殺される立場なんだ。そんなこといえる状況じゃないはずだぜ。」
この情報社会の世界。 ウイルス作成なんていうのは死刑にも値する。
それほど重い罪なのだ。
「捕まったら死刑だぞ・・。」
「ふっ・・どうせ処刑場で殺されるんだ。死ぬ気はさらさらねぇけどな。」
「たのむぜ暁・・・。」
林の部屋からは暁がノートをいじっている音がかすかに聞こえる。
林は脱出の僅かな可能性を三島に託した。
三島もまた、生き残るという思いを捨てなかった。
それは処刑場に対する自分のプライドの主張でもあった。
30分後。
「ギュイイイイイイイイイイイイイイン!!ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイン!」
突如奇妙なサイレンが鳴った。
「な、なんだぁ!!?」
「落ち着け暁。おそらく朝食の時間だ。」
そう。きづけば日は昇っていた。
しかし窓がない牢屋からは気づくことは不可能。
捕まってからほぼ半日以上が過ぎている。
家族の姿が頭に浮かんだ。
コンビニ行ってくると嘘をついて出てきた夜。
朝まで帰らないなんて捕まったと考えるのが普通だろう。
自分のことを思い、泣く両親の姿を思い浮かべると自然と
涙がこぼれた。
「ちくしょう・・・ぜったいにここからでてやる・・・。」
「おら、朝だっぺよ~。」
「あ。」
「しっかり食えよぅ~~。しばらく食えねんだかんな。」
「・・・。」
あれ?なんだこの感じ・・・。
なんだか懐かしい・・・。
なんだよ・・・。
地方弁・・・なんか懐かしい・・・。
聞いたことあるようなこの感じ・・・・・・あ!
「チュウ!?チュウか??」
「チュウ?あぁ!!チュウだ!!」
「あ??え??」
チュウ・・・。本名 中村宙耶。
小学3年生の時。初めてのクラス替え。
前まで一緒だった林とはなれ、まともに話したことのないやつら
ばっかりが集まった3年3組。友達のできない日々が続く中
クラスに転校生が来た。
「はーいみんな静かにー!今日は新しい友達が来ていますよー!」
担任の涼子先生がそう言うと、クラスは騒ぎ出した。
男子達は「もしさ、女でさ、可愛くてさ、性格よかったらどうしよう~!!」
「おれ、もだえちゃう~~~!!!」
「そんでさ、いきなり屋上に呼ばれて好きです・・なんて言われたら・・。」
「ぎゃははは!!!ないない!!夢見んのもいいかげんにしろよー!」
そんな話を聞いて俺も少し期待するんだよな・・・。
女子達は 「なんか背高そうじゃない?」
「あーわかるー!そしてすごく力持ちでお姫様だっこしてくれたりして・・・。」
「きゃー!!いいなーそれー!いざという時には体張って守ってくれたりね・・。」
「あぁ・・王子様・・・。」
体を張って守るって・・・どんな状況だよ・・。
そんな彼らの夢物語も一瞬で潰える。
「はい!じゃあ自己紹介。」
「うす。ぼくぁ田舎町から来た中村宙耶です~。よろしくぅ~~。」
転校生は男で見るからに体育会系の体格のいい奴だった。慎重も150は超えてるようだ。
「うそだろ・・・。」
「そんな・・・。」
あまりにイメージの違った彼を見てみんなは驚愕した。
しかし俺には優しい心をもった純粋な少年に映った。
そして彼は先生に言われるがまま俺の隣に座った。
横から見ると迫力がある。なんせ俺よりも20cmほどでかいのだから。
少し怖いくらいだった。
「どもよろしくなぁ~~。」
彼はぼくに握手を求めた。
ぼくも握手を握り返した。
「あぁ。よろしくな。」
彼と親しくなるのに時間はいらなかった。
しかし俺が彼に隠された悲しい事情を知るのはもっともっと先のことだった。




