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林の行方 2

林の家にやってきた三島。

しかしそこは前に遊びに来たときのものとは

程遠いほど変わり果てていた。

家に入った三島が見たものとは・・・?

木々の中は蒸し暑く、次第に三島の体力を奪っていった。


「・・・っぜえ、ぜえっ・・・はぁ・・・っあぁ・・・」


50分ほど歩いただろうか。ついに三島は地蔵のところに着いた。


「あ・・・この地蔵さん・・・懐かしい・・・。」


地蔵を見た三島は一気に力が抜け、しりを突いた。


そしてここで林と遊んでいた幼き頃の事を思い浮かべた。





7年前 地蔵の周りにて


「じゃんけんぽん!」


「げ!負けた・・・。」


「弱ぇ~な、暁は!いつも大事なときに負けやがる。」


「だってやだろーが!この奥のほこらに入るなんて!あそこめっちゃ不気味だしさ・・・。」


「男だろ?おまけにこの話を持ちかけたのはテメェなんだからな。早く行ってこい。」


「っ・・・ちくしょう・・・。」


三島はしぶしぶほこらへ向かっていった。


そのほこらは大昔に建てられたもので中はボロボロ。


その不気味さはそこらへんの空気をも変えるほどだった。


「うわぁ・・・きったねぇ~~~。ほこりだらけじゃねーかよ。」


「早く行けって。置いてくぞ!!」


林はほこらから40メートルの場所から三島を急かしていた。


「ちくしょうあのやろ~~、あとであのアホづらぷったたいてやる・・・。」


三島はほこらの扉を開け、中に入っていった。


「・・・くら・・・。」


床はおそらく木製だろう。腐った木がめしめしと音を上げ、三島の心を揺さぶった。


「やべぇ、こんな床・・・ちょっとでも力を入れたら突き抜けちまう・・・。」


その時だった。


「バキッ!!」


さっき踏んだ床が突き抜けた。しかし三島がやったわけじゃない。


それはほこらの中に三島以外の何かがいることを示していた。


「うわぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


三島はパニックになり、ただ、ただ遠くに走り続けた。


床は突き抜き、ほぼ全壊状態。またそんな三島を何かが追いかける。


突き抜けた床の下は泥。三島の足は次第に重くなっていった。


「・・・もう・・・だめ・・・。」


三島の体力は緊張と恐怖で限界だった。


その時、何かが三島にぶつかった。


「いって!!」


それは丸い石のような触り心地だった。


それを触った瞬間、三島を追いかけるものの気配も無くなった。


「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・。」


「お~~~い!!だいじょうぶかよぉ!!」


林がほこらに入ってきた。


「さっきすげぇ叫び声が聞こえたからさ!早く出るぞ!!」


いくらさっきの叫び声でもあんな遠くにいた林に聞こえることはありえない。


林は三島がほこらに入った後、密かにほこらの扉の前にいたのだった。


「・・ゴゴゴゴ・・・」


ほこらの壁から音がした。


「何だ?この音・・・」


その時、三島が青ざめた。


「まずい・・・床が突き抜けすぎて柱が倒れそうだ!逃げるぞ!!」


「バキッ!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!」


一本の柱に大きなヒビができた。もう倒れそうだ。


「くそがぁぁぁあぁぁ!!!!!」


「うおぉぉぉぉぉぉぉあぁぁぁ!!!!!」


2人は懸命に走りつづけた。しかし所詮子供の力だ。


ほこらの崩壊は無常にも2人の気力を奪うばかりだ。


「もう・・・だめだ・・・。」


三島はその場にへたり込んでしまった。


「あきらめんな!!ほら、扉が見えんだろ!あと少しだ!走れぇ!!」


その時、林の足に何かがぶつかった。


それはさっき三島にぶつかった石だった。


「てぇな、くそ・・・あれ?」


その瞬間、柱が倒れる音が止まった。


「ど、どうした?何が起きた?」


「なんかしんねぇけど崩壊が止まった。今の内だ、逃げるぞ。」


2人が走り出すとまた柱が倒れだした。


「また始まった!!」


「大丈夫だ、飛べ!!」


2人は大きくジャンプし、扉の向こうに出た。


「ドドドドドドド!!!!!!!!!」


同時にほこらはものすごい煙と轟音を起こし、崩れ落ちた。


「ごほっ、ごほっ!!」


「ごほっ、っはあ、はぁはぁ・・・」


「はぁ・・・はぁ・・・何か・・・生きてたな・・・。」


「あぁ・・・何か・・・生きてたな・・・・・く・・くくく・・・」


「あははははっははは!!!!!」


2人は死ぬところだった境地から抜け出した安心感からか、笑いが止まらなかった。


しかしその後、林の両親と救急隊が駆けつけ、ほこらの崩壊は2人のせいだと解明。


こっぴどく叱られたのは他でもない。


その数日後、救急隊によるのほこらの清掃で1匹の犬の死体と泥まみれの地蔵が発見された。





「そうだったな・・・地蔵さん、あんたは俺達の命の恩人だったな・・・。」


三島は腰をあげ、林の家を目指し、再び歩き始めた。


「そうだ・・・一瞬、林は国連のやつらに連れて行かれたかと思ったけどそんなわけない。

あんな馬鹿にあの元気な親だもんな。そしてあの時林がおれを助けてくれなきゃ今

俺はここにいない。林・・・待ってろよ・・・。」




さらに40分歩きやっと林の家が見えてきた。


しかし人のいる気配がない。


「?」


家の前に来た三島。家はボロボロで誰でも入れそうだ。


「すいませーーん。みしまですけどーーー。とどけものしにきましたーーー。」


「・・・・」


呼びかけても家の中からは返事も聞こえない。


「すいませーーーーーん。」


「・・・・」


いくら呼びかけても返事がない。三島はこっそり玄関へ入っていった。


「うっ・・・」


家の中は異臭が漂い、物音ひとつなかった。


「どうなってんだよ・・・。」


林はデジタルノートをすぐそこに置き、出ようとした時、あるものが目に入った。


「!!」


それはまだ日にちがたって間もないほど汚れのない頭蓋骨だった。













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