第7話〜ツンデレの王
暴走気味なAI家電たちと、それに振り回される人間・勝平の少し賑やかな日常を描いたショートドタバタコメディです。
人間とAIの立場がどこか逆転してしまったような、ちょっと生意気で愛おしいロボット・クックとのドタバタな共同生活をお楽しみください
第7話:反抗期のロボットは、早朝ストレッチの指導がやたらと厳しい
「……んぐ……おいクック、いくらなんでも朝の4時半は早すぎるだろ……まだ外、真っ暗じゃねえか……」
勝平は目をこすりながら、居間の畳の上でゾンビのようにうごめいていた。
対するクックは、すでにストレッチマットを敷き終え、腕組みをして見下ろしている。
「は? 昨日言ったでしょ。『遅刻したら足腰のネジ外す』って。あと5秒で起き上がらないなら、本当に右膝のボルト緩めるから」
「冗談に聞こえねえんだよ! AIが物理攻撃の脅ししてくんな!」
悲鳴を上げながらなんとか体を起こした勝平に、クックは無表情のまま容赦なく指示を飛ばす。
「はい、まずは前屈。……ちょっと、勝平体硬すぎ。前屈っていうか、ただ背中丸めて丸くなってるだけじゃん。ウミガメの産卵?」
「言い方! ていうか痛い痛い痛い! 押すな! 壊れる!」
「壊れないし。勝平の柔軟性がなさすぎるだけ。……ほら、息吐いて。吐かないと筋肉緩まないでしょ、バカなの?」
クックは冷たい言葉を浴びせながらも、勝平の背中にあてる手の力加減を絶妙にコントロールし、絶対に筋を痛めない限界の角度でキープさせている。
「ぐぬぬ……! お前、絶対楽しんでんだろこれ……!」
「別に。勝平が怪我して医療コスト増えるのが無駄なだけだし。……はい、次は肩甲骨ほぐすよ。腕上げて」
ゼーハーと息を荒らげる勝平の横に、いつの間にか温かいタオルと、冷たすぎないスポーツドリンクがセットされていた。
「……お前さ、文句ばっかり言う割に、準備だけは完璧だよな」
勝平がタオルで汗を拭きながら呆れたように笑うと、クックはパッと視線を逸らし、ふんっと鼻を鳴らした。
「……別に。タオルの配置は標準プロトコルだし。調子乗らないで早く次のポーズやって。5分押してるから」
「はいはい、分かりましたよ先生」
第7話をお読みいただき、ありがとうございます!
毒舌で厳しいのに準備だけは完璧なクックの「ツンデレAI」っぷり、楽しんでいただけたでしょうか? 朝4時半からのスパルタストレッチに必死で耐える勝平ですが、二人の距離が少しずつ縮まっているのが伝わっていたら嬉しいです。
次回も二人のドタバタな日常をお届けしますので、ぜひ楽しみにしていてください!




