85/90
第85話 キララと鈴音
一月中旬。
キララと鈴音が——二人で会った。
アリアとリリのオフ会。という名目で。だが実際には——互いの正体を知った上での、友達としての会合だった。
待ち合わせは駅前のカフェ。鈴音は俺に同行を頼んだが——断った。
「二人で行け。俺がいたら話しづらいだろ」
「……いいえ。みなとさんがいないと——」
「大丈夫だ。キララは敵じゃない」
「……わかっています」
不安そうに出かけた鈴音が——三時間後に帰ってきた。
「……ただいま」
「おかえり。どうだった」
「……星野さんは。……やっぱりうるさかったです」
「だろうな」
「……でも——」
鈴音が、ポケットからスマホを出した。画面を見せた。LINEの友達リストに——「きらら☆」が追加されていた。
「……友達になりました」
「よかったじゃないか」
「……はい。……初めてです。……女の子の友達」
鈴音は——微かに笑った。
「……星野さんが言っていました。『リリの配信、これからもずっと見るね。応援してるよ』って」
「いいやつだな」
「……はい。……いい人です。……うるさいですけど」
二回目の「うるさい」。それは——鈴音なりの愛情表現なのかもしれなかった。




