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超毒舌グルメVTuberは俺の飯だけ星一千万〜隣の無口美少女を料亭仕込みの家庭料理で餌付けしていたら、毎晩ごはんをねだられるようになった〜  作者: ハイさん
第5章 特定騒動と秘密のキッチン、そして終わらない食卓

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第82話 報告

恋人になったことを——報告しなければならない人間がいた。


 まず健太。


「知ってた」


「……早いな」


「お前が今朝やたらにやけてたから」


「にやけてない」


「にやけてたよ。マクロ経済学の講義中に二回口角上がってたぞ。お前が講義中に笑うなんて、人類史上初だ」


 次にキララ。LINEで。


『おめでとーーーーーーーーーーーー!!!!! 知ってた!!!!! 遅いよ!!!!! 何ヶ月かかったの!!!!! あ、氷室さんによろしくね! 今度三人でご飯行こう! あ、邪魔しちゃダメか! 二人で行ってらっしゃい!』


 最後に柚葉。LINEで。


『おめでとうございます先輩!!!!!!


 うん。わかってた。先輩が妖精として配信に出た時に確信した。あそこまでやるのは、好きな人を守る時だけ。先輩のことだから。


 先輩。氷室さんのこと、幸せにしてください。


 フライパンの件、まだ有効ですからね。泣かせたら飛んでいきます。


 あと——大将のこと。近いうちに一度、顔を見せてあげてください。元気にしていますが、やっぱり寂しそうです。先輩を待っています。


 柚葉より』


 親父のこと。


 スマホを閉じた。


 いつか——帰らなければならない。逃げ続けることはできない。


 だが——今は。


 今は、鈴音の隣にいることが、一番大事だった。


 ◇


 鈴音にも「報告」があった。


 夜。配信の前。


「……みなとさん。リリとして——報告してもいいですか」


「何を」


「……恋人が、できたと」


「……いいのか? ネットに」


「……はい。……隠すものは、もうありませんから」


 その夜のリリの配信。


『——本日は、一つご報告がございます。……わたし、リリは——妖精と、お付き合いを始めました』


 チャンネルが——崩壊した。


 サーバーが落ちた。


 復旧後のコメント欄は——もはや読解不能だった。涙の絵文字と祝福と絶叫が入り混じって、どこからどこまでがどのコメントなのかわからない。


 その中に一つ、読めるコメントがあった。


『おめでとう。ずっと見守ってた。幸せになってくれ』


 シンプルで。短くて。——たぶん、何千人もが同じことを思った夜だった。

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