旅立ち
俺についたお目付け役という名の護衛は3名。
他にも「草の者」を5人ほどつけてもらった。その他に連絡係として4名。
どうも紐(保護者)つき新米商人のアレックスです。
だって俺様、純粋培養育ちの元王族だし?
異世界単独走破とか怖いし無理じゃん?
この数じゃ不安なので、脱落者が出る事も前提に奴隷を買おうと思ってる。
奴隷は主人を裏切れないしね?
寝首を掻かれない為にもそういう存在は必要。
奴隷制度に対する嫌悪感はかすかにあるが、便利な物は使わないと、と考えてしまうあたり、俺もこの世界生まれなのだなと思う。
理想は越後の、さる問屋のご隠居一行の構成なのだが、あそこまで高スペックな者は揃えられないだろうね。
さて、そんなメンバーで旅に出たのはいいのだが、思っていたより俺のイケメンぶりで目立ってしまっているようだ。
どう見ても「いいとこのボンボン」とその護衛にしか見えない。
そのせいか、あらゆるところで、舐めてかかられてメンドクサイ。
うーんもっといい偽装方法はないものか。
「ザック、お前が商人の主人役をしろ」
俺は3人の護衛の中で年嵩で一番庶民ぽい顔つきのザックに命令した。
そうして奴隷商でザックと釣り合う見かけの女性を買ってこさせた。
「お前らは夫婦役だな、奴隷を妻がわりにしている奴も多いから、その事はいいだろう。どうやら俺が商人で主人役ってのは、違和感を与えまくってるみたいだからな」
そして俺はジョブチャンジした。自分的には「お銀」ポジションの男版てとこだ。
「たしかに殿下の腕なら吟遊詩人で通るでしょうな」
旅芸人の中には美形も多い。
いつの時代にも芸能関係に携わる者は見栄えが良い者が有利だ。
ザックと奴隷の女…エマが商人の主人で、その護衛にホップとステップ。
俺は商人夫婦の知り合いで吟遊詩人デビューしたてで一緒に旅をしていると、そんな設定でどうだろう?




