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28、晩餐会のメニュー

オードブル。

スープにサラダにパン。

メイン。

デザート。



略式だが、これで行こう。

普段サクラ亭で出している物ではないが、仮にも王族。

手抜きは、出来ない。


普段のサクラ亭なら、定食か、酒のつまみになる単品だからな…。


オードブルは、簡単で見た目良く、クラッカーにチーズやトマト、ハムなどを乗せた物。


スープは、オニオンスープ、サラダは、無難なフレッシュサラダ、パンはふわふわなロールパンを用意。


メインは悩んだが、ハンバーグを提供することにした。

まだサクラ亭に出していない、新メニューだ。

挽肉を作るのが、人力に頼ることもあって、大量生産出来ないもので…。

勿論、付け合わせの人参や、コーン、マッシュポテトも忘れない。


デザートは、果実酒を作るのに使ったフルーツを使った、ブランデーケーキに紅茶。

紅茶だけは、ハートに取り寄せてもらった。



あと二、三日、というダニィさんの話を聞いて、とりあえずはケーキを焼く。

本当は、じっくり一週間寝かせたかったのだが、仕方が無い。

それ以外の日持ちがするクラッカーなんかも仕込んでおく。

服を作る為の布や糸なんかも、多少揃えておいた。


ハートは、日々の業務だけで手一杯の様に見えていたのだが…、そうでもなかった。

やるべき所は、やっていた。

うん、流石だ。


ティークとダニィさんも、何やら運び込んだり、人に会っていたりと、忙しない。

もっとも最近は、私も忙しかったのもあって、ろくに顔を合わせていなかったのだが…。

久しぶりに顔を合わせたのが、密談だったし。


ドタバタ、ドタバタと、日々はあっと言う間に過ぎていった…。



ガラガラと車輪が駆け抜けていく音がした。

馬車か何かだろうか。

馬車だったら、王室だな。間違いない。

高級品だからな、馬車。

しかも、こんな街中を走れるんだから。


いつものサクラ亭の二階。

縫いかけで止まっていた二号店の制服の針に魔力を通していたら、ハートが覗いた。

馬車の通って行った後だ。


「アイリさま、到着したみたいです。」


「はーい、支度して行くね。」


支度と言っても、さしたることはしない。

針を何本か、布に刺して包む。

自分の格好を見下ろして、裾を少しだけ叩く。

本日は、ゴスロリパート2の、水色アリス風である。

ニーハイも完備。

布ではあるが黒い靴に、髪を纏めるカチューシャまで装備している。


「はい、はい。」


お茶菓子に、店で焼いてるマドレーヌを数個いただいてく。

オーナー特権。


「では、向かいましょう。」


私の手を取って、ハートが駆け出す。

なんの事はない。

「飛翔」を使った、時間短縮である。

私は使えないが、ハートは使える。

手を掴まれている自分は、荷物張りに連れて行かれている。

それだけのことなのだが…。


「ハート!スカートが!」


「自分で押さえていて下さい!」


使うのなら、ズボンを履いておくんだった、とちと後悔。

ま、それだけ急いでいるのだろう…。


あっという間に、ティークの家まで到着〜。

裏口から、お邪魔します…。


壁の向こうから、ぼそぼそと話し声が聞こえてくる。

ダニィさんは、お茶を入れているようだ。


「ダニィさん、これ。」


持ってきたお菓子を差し出す。

流石ダニィさん、スーツをかっちり着こなしてる…。


「ありがとうございます。では。」


うーん、絵になる…。


部屋の傍でへばっていたハートに水を出してやり、自分も飲もうと思ったら、ダニィさんに呼ばれた。

おそらくティークと王妃様がいるであろう部屋に。


「失礼します。」


付け焼き刃だが、礼儀が無いよりはマシかと、転生前の記憶を引っ張りだす。


ソファの片方には、ティーク。

ドアを背に、座っていた。

そして、テーブルを挟んだ反対側には…。


「ほう、そなたがアイリか。」


私がデザインした、シンプルなワンピースを纏ったスラリとした、女性と。

プリーツスカートにシャツという、何処ぞのアイドルの様な可愛らしい女の子が5人。

私を見て、目を丸くしていた。



詳しいフルコースなんて、知らないんだよう…(汗



30話になったら、番外編でも書こうかな、とちょっと思ってます。




評価をつけてくれた方、ブックマークしてくれた方、そして読んでいる方々。


いつもありがとうございます。



…出来れば見捨てないでやって下さい…(泣


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