閑話休題
―午前6時18分 星宿館正面門―
12月10日。
組織からデータを盗み出した二週間後。
メンバーの中で一番朝が早い祥が、寝巻きのままポストを開けた。
中には新聞と広告、三通の手紙。
祥はその場で封を開ける。
薄茶色の封筒は、郵便講座に依頼料を振り込んだという通告。これは破る。
灰色の封筒は、ガス・電気・水道代の請求。これも請求書だけ残して破る。
そして、残る一つは差出人不明の真っ白な封筒。
印が見当たらない為、この差出人はわざわざ自分で持ってきたらしい。
祥(組織のヤツらか……)
そう予想をつけながらも、祥はなんの躊躇もなく無造作に封筒を破る。
祥(えっと…
―手紙―
『―拝敬 羽生兄妹様
この度はどうも、いろいろやらかしてくれたようですね。
ボクは、二入に会えなくて寂しかったけど、対に博士が出動許可を出してくださいました。
前に、コレで遊んだことがありましたね。
使い方は変えていません。
阿部と佐藤…と今は一緒にいるようですね。卯木から聞きました。
もう、ボクらの所には帰ってきてはくれないのですか?
…と言っても、この間の行動で答えはわかっていますが。
では、待っています。
前みたいに、待ち合わせ場所はコレだよ。
早く、二人を殺したいな。
―二人の友達より』
祥 (コレは…)
祥は手紙に同封された黒い箱のようなものを見る。
祥(しかも、この手紙…漢字間違ってるし、俺ら友達じゃないってつったのに…)
そのとき、一陣の突風が吹いた。
破り捨てられた二通の手紙は、風が舞い上げていき、見えなくなった。
しかし、白い封筒と手紙、黒い箱は祥の手にある。
祥は、風で顔にかかった髪を掻き上げ、箱と手紙をポケットに入れた。




