王国会議Ⅳ
魔人王ハンクを倒してから王国会議は再開された。俺がワークスヴォルデということは、この場にいる数人しか知らない。あの力を使った俺は今も意識が朦朧としている。解放魔法からワークスヴォルデになり、今はマルクシュバリエになる。王はこの会議の重要性の説明をしているがどうでもいい。
「マルク大丈夫?」
「・・・」
「マルク、マルク?」
「ああ・・テティか。なんだ?」
休憩時間になったから、夕食を食べにいこうということだった。確かに腹は減ったが今何を食べても味がしないし、それよりも倒れそうだ。でも、テティの願いならば今すぐにでも、行くべきだと判断した。しかし、立ち上がり会議場から出たところで、俺は突然倒れこんでしまった。禁忌魔法の連続使用はワークスヴォルデとしても少しきついということだったのだろう。
俺は自分が気を失ってるときに、暗闇と出会った。『お前はその手で何人殺した?お前は本当の英雄だと思うか?お前はその強さを得て何を得た?ただの自己中英雄様ではないのか?そもそも英雄でも何でもない。貴様は所詮賢者だ』このささやきは確かに正しい。ヴォルデという名前も俺のものではない。この王国が完成させるまでに流した真っ赤な血も全て俺のせいじゃないか。強さも偽物、人殺し、大虐殺。『俺って最低だな』そんなことを思っているとき、目が徐々に開いてきた。
「マルクおはよう。うなされすぎ大丈夫?」
「あーテティおはよう」
「なあテティ?サディス家はこの国を守るために何万人の血が流れた?」
「そんなの知らない。知っていても言えないわ」
「俺の弟子たちが作った王国で、沢山の人が戦争で死んでいった。俺が転生しなければ、全て平和だったとは思わないか?」
「貴方、本当にバカ。弱虫英雄様だったの?」
「そうだよ。俺はワークスヴォルデであって、今も昔もヴォルデは俺じゃない。フィオヴォルデっていうのが本物だ」
「どういうことなの」
もういい。全て偽物の俺のせいで皆に迷惑をかけた。自己中英雄の俺のせいでこの国は、貴族同士の争いに発展した。ヴォルデ遺跡を乗っ取ろうと考えた貴族もいたらしい、そこでも血が流れた。転生などしないで、あそこで死んでいれば、国など作らずに済んだのかもしれない。真の魔王はディバイスはなく、ワークスヴォルデだったのかもしれないな。
「フィオヴォルデ。神にまで上り詰め、道半ば魔獣になりて滅びを選んだ。この伝書は読んだことがあるだろう?」
「ええ。でもそのフィオ様がヴォルデだったとはどこにも書いていなかったわよ?」
「フィオの願いで書かないことにした。だから本当の魔法が聞きたいのならば、ヴォルデ遺跡に行け」
「いやだ。私はワークスヴォルデに聞くって決めたもん。ヴォルデ様がヴォルデ様じゃないって聞いても私はあなたにきく」
テティサディスもなかなか面白いことを言うと思った。この言葉どこかで聞いたことがある。・・・・そうか。リナもあの時同じことを言ってきたか、本当に弟子は師匠に似るな。
「そうだ。テティ。俺はお前を守る矛になる。だからお前は俺を守る盾になってくれないか?」
テティは顔を赤くしながら、『はい』と言ってくれた。
テティマルクおめでとうございます!!
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