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「〜〜っ、なんなんだ、あいつは!?」


 少女が去っていった方向をしばらく見ていた翔はいきなり叫んだ。しかし、翔の疑問に2人は答えない。

 和也は口元に手を当てて考え込んでいるし、華奈は大きな瞳に涙をためて、泣くのを必死に堪えており、翔の言葉を聞いてすらいなかった。


「……ひくっ……ど……しよ」


 和也と翔の服の裾を両手でそれぞれ掴みながら、堪えきれずに涙をこぼし始めた華奈は不安そうに2人を見上げている。


「どうしたの?」


 考えにふけこんでいた和也は慌てて華奈の方を見て優しく尋ねる。


「ひの、死んじゃうの?」


 両手で必死に涙を拭いながら、華奈は謎の少女が消えた方向を見つめていた。


「彼女が言っていたことが正しいとは限らないし、大丈夫。悪い方に考えると悪いことが起きるって言うし、ひのちゃんはかなちゃんを探して行き違ってる可能性もあるから、一度ひのちゃんの家に行ってみようか?」


 ポケットから出したハンカチで華奈の涙を拭いながら、和也は提案する。

 それを聞いて翔は「はい!」と手を挙げる。


「俺はこの辺もう少し探してみるわ。進展あったらお互いに連絡でいいよな?」


 和也に確認するように翔は問いかけると道と森を隔てているガードレールに手をつき、乗り越える。

 そんな姿を見て和也は諦めたようにため息をつき、背中に声をかける。


「無茶はするなよ。1時間後に校門に集合な」


 和也に返事をするように拳を突き上げ、翔の姿は森の中に消えていった。


「じゃぁ、僕達も移動しようか。華奈ちゃん、華奈ちゃんの家とひのちゃんの家は近いの?」


 翔の姿を見送ると、和也は華奈の視線の高さまで姿勢を屈ませて問いかける。華奈は「うん」と小さく頷くと差し出された和也の手を握り、「こっち」とまずは自分の自宅に向かって歩き出した。

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