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元勇者の嫁が甘えん坊すぎて、元魔王の理性がもちません  作者: 月城琴晴


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第17話 魔界の未来がかかっているらしい

「リシェ、どうする」


「魔道具が繁盛しすぎて対応ができないんだが」


「え?!」


「リシェも手伝ってくれ」


「組み立てて。ここ。よろしく」


「わかった」


 リシェはどんくさいながらも、簡単な部分を組み立ててくれた。


「終わったら、サイトの方の対応お願い」


「わかった」


 リシェはサイトを確認した。


「あの……おかしいくらい来てるわ」


「予約がすごいことになってる」


「え?!」


「どんどん増えてる」


「……どうしよう」


 リシェが言った。


 その時だった。


 ピンポーン。


 うるさい。


 二人はそう思った。


「兄上ー! ロメオでーす!」


 声が聞こえた。


 ん?


 ちょうどいいところに来た。


 二人の目が光った。


「「いいところにきた」」


 二人の声が揃った。


「どうした、ロメオ」


「早く上がれ」


「お前たちもいるか」


 ヴェイルが言った。


「ちょうどよかったわ」


 リシェもにこにこしていた。


「悪いけど話は後で。これの対応お願い。王妃命令よ」


「魔道具作って」


「え?!」


 いきなりこんな時だけ王妃命令だった。


「注文票はこれ」


「できるわよね」


「……」


「頑張ります」


「はい。みんなでやりましょうね」


「私、サイトの対応するから」


「こっちも大変なの」


「人が足りなかったら応援呼んでくれるかしら」


 ロメオはアベルに通信した。


「おい。兄上のところに秒で来い」


「え? 何で俺が」


「秒でだ。部下も連れてきていい。早く来い。秒だ。魔王代理の俺が言ってるんだ。早く来い」


「かわれ」


 ヴェイルが言った。


「秒で来い。今すぐだ」


 そして、アベルが部下を連れてきた。


「おい、お前ら。今からここにある注文票を全部作れ」


「今すぐ取り掛かれ」


 魔王権限発動だった。


 どんどん終わっていく。


 しかし、こっちもどんどん注文が入ってくる。


 戦いだった。


 アベルたちは何も知らされぬまま、注文票に従って作業を始めていた。


 一体何があったんだ。


 もしや……魔界の何かなのか?


 新しい輸出事業なのだろうか。


 兄上が頑張って作っていらっしゃるということは、きっと考えがあるに違いない。


 アベルはそう思った。


 アベルの部下、クライスも同じように思っていた。


 確実にこれは魔界に関わる何かなんだ。


 幹部の方々が必死で作っていらっしゃる。


 そういうことに違いない。


 王妃様まで。


「魔界の未来がかかっているのですね」


 クライスが言った。


「そうよ。だから早く作りなさい」


 リシェが適当なことを言った。


「やっぱり」


 クライスは頷いた。


 ロメオ達も、はっとしたように言った。


「やはりそうだったのですね」


「当たり前じゃない。我々の未来がかかってるの」


 リシェが言う。


「ここは抜かりなくやらなければならない」


 ヴェイルまで言い始めた。


「失敗は許されない」


「やるぞ」


「全国放送もされているんだ」


「「「え?! 全国放送だって」」」


「そうよ。だから失敗はできないわ」


「雑誌にも掲載されたしね」


 リシェが言った。


「魔界が人間界に出るってことですね」


 クライスが言った。


「当たり前よ」


 リシェは頷いた。


「さあ、皆どんどん作るわよ」


「はい、新しい注文票よ」


「しばらく毎日通うということで」


「わかりました」


 重要任務に違いない。


 皆そう思っていた。


 本当はネットショップが当たっただけである。


「これを早く作れるようにしたいの」


「確実に」


 そして、魔界の魔道具事業が始まってしまった。


「それから、ロメオのポーションも試しに販売したら、それも売れてるから、そっちもどんどん作ってね」


「かなり口コミがいいわ」


 魔界癒し事業が当たった。


「このサイト、売れ行き抜群よ」


「魔界は繁盛するわ」


「これ、大きくできるわよ」


「特にポーション系は大量にできそうだし、いけるわね」


「はい」


 そして、ポーションに使えそうな薬草を植えることを奨励した。


 さらに事業は拡大した。


 魔界は癒し魔道具とヒーリングポーションの輸出業に成功したのだった。


 本当は……元魔王の個人サイトだが。


今回は魔道具が売れすぎた結果、魔界総出の作業になりました。


本人達は真面目なのですが、アベル達は完全に国家規模の重要任務だと思っています。


本当は元魔王の個人サイトです。


気づけばポーションまで売れ始め、魔界の新事業になりそうな雰囲気になってきました。


移住の相談をしに来たはずのロメオ達ですが、気づけば工場要員になっています。


お読みいただきありがとうございました。


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