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元勇者の嫁が甘えん坊すぎて、元魔王の理性がもちません  作者: 月城琴晴


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第16話 何故か兄上が雑誌の表紙になった

 ロメオ、ゼクス、ガルディア、グレインの四人は、カフェで対策会議をしていた。


「こちらに移住するというのはどうでしょうか」


 グレインが言った。


「ありだな。魔界は俺がするより、アベルの方が向いているだろう」


 ロメオも頷く。


「では、魔界はアベル様に任せるということで」


 全員が拍手をした。


 まだ本人に確認はしていない。


「私達は、緩やかにスローライフでも良いのではないでしょうか」


 ゼクスが言った。


「それもありだな」


 ロメオは少し考えて言った。


「最初は兄上の魔道具作りを手伝いながら、できる範囲で店でも運営して暮らすのはどうだろうか」


 もちろん全員賛成だった。


「それなら、城も改築しなくていい」


「そして、アベルが何とかする」


「完璧だ」


「「「はい」」」


 全員異存なしだった。


 ……魔界、それで良いのだろうか。


 まだ本人には確認していない。


「よし。これで兄上のところに話をしに行こう」


「それで、何とかなるだろう」


 ロメオは楽観的に頷いた。


 その時だった。


 店員がコーヒーのおかわりを持ってきた。


 美人のお姉さんだった。


「コーヒーのおかわりお持ちしました」


「いかがですか?」


 笑顔だった。


「お願いします」


 思わずゼクスは名前を聞いていた。


「……お名前、聞いてもいいですか?」


(早いな……)


「リナです」


「僕はゼクスです。これからこの町に移住しようかと思ってまして。これからよろしくお願いします」


 イケメンモード全開だった。


 声のトーンまで違った。


 少しだけ三人は恥ずかしくなった。


 その後、ヴェイルのところへ相談に向かった。


 しかし……留守だった。


 なぜこんな時に留守なのだ。


 これは先にアベルへ話をしに行けということなのか?


 兄上、鋭いな。


 その頃。


 ヴェイルはリシェとデート中だった。


「こんな魔道具も開発してます」


「視聴者の皆様見てますか? ヴェイルさんの魔道具すごいですよ!」


 何故かインタビュアーが前のめりになっていた。


「一つ持ってますよ」


「これです」


「え? すごい……癒される」


「でしょ?」


「口コミもすごく良いんです」


「私、欲しいです!」


「私も買います!」


 そして、飛ぶように売れた。


 さらに少し歩くと、今度は「街で見つけたイケメン特集」の取材まで来ていた。


「何で今日はこんなに取材が来るんだ?」


「ヴェイが格好いいからじゃない?」


「いや、そう言われても……普通こんなに来ないだろう」


「田舎でひっそり暮らしてるだけだぞ?」


「でも、ヴェイといるといつも囲まれるよ?」


「いや、魅惑系かもしれないけどさ」


「さすがにそこまでじゃないと思うぞ」


「俺、出さないようにしてるし」


 ……歩くだけで魅了してるのでは。


 そう思ったリシェだった。


「でも、魔界でも歩いてるだけで囲まれるんだ」


「だから、あまり城の外には出ないんだよ」


「完全に抑えてても、何でだ?ってなる」


「魔王だから普通なのか?」


 後日。


 街で見つけたイケメン特集は、巻頭ページでも何でもないはずだった。


 なのに。


 ヴェイルが雑誌の表紙になっていた。


 ――何故。


 送られてきた雑誌を見ながら、ヴェイルは困惑した。


「何故か俺が表紙になってるんだけど」


「これどういうことだよ」


 ケーキ屋のお姉さん、美容師のお姉さん、カフェの店員達まで盛り上がっていた。


「ヴェイルさん、雑誌読みました!」


「この前のインタビューも見ましたよ。全国放送されてましたね」


「全国放送だったんですか?」


 ヴェイルは少し驚いた。


「ありがとうございます」


 クレアにも言われた。


「ヴェイルさん、インタビュー見たわよ」


「すごいわね」


「ありがとうございます」


 どういうことだ?


 勝手に有名になっている気がする。


 そして。


 俺のネットショップは、ものすごく売れていた。


 俺が適当に作っているだけでは間に合わない。


 仕方ない。


 これはゼクス達にも同じ物を作ってもらうしかないな。


 注文量が多すぎる。


 俺の魔道具は、何故か繁盛していた。

今回は兄上が何故か雑誌の表紙になっていました。


本人は困惑しています。


そしてゼクスは移住初日から店員さんに話しかけていました。


行動が早い。


さらに魔道具が売れすぎて、スローライフ計画が少し怪しくなってきています。


お読みいただきありがとうございました。

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