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Dreaming Maker Memories  作者: 菖蒲P(あやめぴー)
一章
29/33

二十八話 希望の星

嘘のような現実に、ただただ泣き崩れることしかできなかった。中でも一番責任を感じていたのは大地だった。謝ることしかできなかった大地に、世奈とメンバーは、歌と踊りで彼女たちに恥じないアイドルになると誓った。

嘘だ、嘘だと思っても、テレビには疑いたいような事実しか映らない。膝から崩れ落ち泣き出す私に、上司や同僚は無言で寄り添う。メンバーも皆信じられないという顔をして、泣き出したり、呆然と立ち尽くしたり…


次の日はいつも通りレッスンの予定だったが、流石にこんな時にレッスンはしていられないと中止にした。私たちも悲しみに満ちていたが、今一番悲しいのはご両親や、二人を我が子のように可愛がっていた大地だろう。ニュースを見ていると、早速マスコミが二人の親族にインタビューをしていたり、二人の生い立ちやデビューしてからの道のりなどを報じていた。私はもう聞きたくなくなってテレビを消した。


脱力感が全身を包んだ。その日はソファからほとんど動かずに過ごした。呆然としていると、携帯が鳴り響いた。こんな時に出たくない、と思いながら確認すると、大地からの電話だった。私はびっくりして、携帯を開いた。

「も、もしもし!大地、さん。」

『菅井世奈さんですね、沢城大地です。』

落ち着いた口調の大地が電話に出た。いや、少し声が震えていたが。

「大地、言いたいことは分かる。でも無理して電話なんてかけなくても…」

『僕が全責任を負います!本当に、全て僕のせいです。何度謝っても謝りきれないのは分かっていますが、ごめんなさい…!』

大地はおそらく電話越しに泣き崩れている。悪いのは大地じゃない、と言いかけたが、大地は抑えきれない心の内をさらけ出す。

『僕が責任を持って一緒についていけば、何かが変わったかもしれない。僕が誤った判断をしたがために、我が子のように可愛がっていた二人を、こんな形で失ってしまった…!』

息苦しそうに喘ぐ大地の声に、私はもう何も慰める言葉を発することができなくなって、ただただ相槌を打った。

『…ご親族から許可をいただきまして、葬儀にはDreaming Makerの皆さんたちも一緒に、シャインエール・プロダクションの方々など仕事関係の人たちもお呼びします。その時に、もう一度謝らせてください。』


電話を切った。謝らなくてもいい、でも、謝りたい気持ちも分かる。そして、私たちにできることって何だろう、と一人の部屋で考えた。




数日後、延期したレッスン日になった。やはりメンバー皆暗い顔をしている。私は励ますとか明るくするとか、そういうつもりではないが、一人で考えた持論をメンバーに伝えることにした。


「二人の死は取り返せません。それはとても悲しく、これから一生体に重くのしかかることでしょう。でも、私たちにも、天国の彼女たちを安心させることができるんです。私たちの力で。」

「…うん、歌って踊るしかないよね。彼女たちに届くくらい、輝いてやらなきゃ合わせる顔がないよね。」

御影くんはそう言ってメンバーの方に振り返る。メンバーは皆、覚悟を決めた顔をした。

「そう。後戻りじゃなくて前に進むことが、私たちにできることです。これまで通り、折れない心で突き進めば、私たちの力で高い空まで輝きを放つことができるんです。」

「俺たちで、見たことない世界まで行こう。」

明石くんの言葉に皆頷いた。




その後、葬儀に私たちは招かれた。ご親族の方々と挨拶し、中に入ると、大地たちの姿があった。

「今日はよろしくお願いします。Dreaming Makerの皆、お久しぶりです。」

一人一人に丁寧にお辞儀をする。大地はまだ泣きはらした顔のままだ。そして無言で一歩下がると、

「本当に、申し訳ない!」

とまた土下座をして謝ろうとした。そこを大地の同僚や上司たち、親族が止めに入る。

「もう、あなたの責任じゃないのよ、それ以上自分を卑下しないで。天国の二人が悲しんじゃうでしょ。」

「沢城、お前そろそろいいだろ、向こうを余計困らせてるだろ…!」

止めに入っても大地は地面に頭をつける。そこにメンバーが歩み寄った。

「歌で、踊りで、僕たちの全てで、彼女たちに恥じないアイドルになります。」

「ずっと立ち止まっていてはダメですよ。今は辛くても、その辛い顔をずっとしている方が二人にとってよっぽど辛いんですから。あなたは笑顔でいられる限り、笑顔でマネージャーの仕事をしてください。マネージャーも辞めて、全部投げ捨てて、それは彼女たちへの償いにはなりません。マネージャー沢城大地が、彼女たちの行き先を示してくれた希望の星なんですから。」

その言葉に、大地はゆっくり立ち上がった。

「もう少し時間はかかると思います。気持ちに整理がつくまで。もし、笑顔でマネージャーの仕事をできる日が来たら、彼女たちがそれで喜んでくれるなら、僕もそんな未来に進みたいです。」

そう言って、ふっと笑みをこぼした。

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