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Dreaming Maker Memories  作者: 菖蒲P(あやめぴー)
一章
16/33

十五話 マネージャー慰労の会

自分の不甲斐なさを痛感し、周りからも心配されて情けない思いをしていた世奈。そんな世奈の様子を見かねたメンバーは「慰労の会」を企てることにした。

それから数日、新曲レッスンも番組のリハーサルも入念に行ってきた。皆調子はいい様子だと思ったが、私の心だけは晴れずに時折心配もされてしまった。全く情けない。

「マネージャーさん?元気ないよね最近。どうしたの?一緒に紙ヒコーキ作る?」元気でちょっと能天気な花咲くんにそんな心配させるくらいだから、だいぶ重症だろう。でも、ここで弱音を吐いたら皆が今まで積み上げてきたものを崩してしまう。そんなことはできないから喉奥に言葉を引っ込めた。


「御影くん、ちょっと勉強教えてくれない?」「うん、いいよ。」レッスン終了後、事務所内のスペースを借りて皆に学校の勉強を進めてもらった。Dreaming Makerはほとんど学生のメンバーで構成されている。しかしレッスンに明け暮れる日々で学校も最近は休みがちらしいのでこういった時間も設けてみようと思った。…というのも社長が仕組んでくれたメニューの中に入っていたからだけど。私の発案ではない。アイドルである以前に学生。それすら頭にないくらい私の日々は慌ただしくて、時間配分も下手くそだし、もうダメだ。この間三日間休んだんだからまた休むなんてできない。心の拠り所のなさに疲弊していることは確かだった。

「あれ〜?雄大ここ習ってないの〜?」「るせぇ!分かるわけねぇだろ!なんだよ分数って!!」皆仲良しグループ作って和気あいあいとやってくれているから今は一安心だ。ここでまた騒ぎ起こしたらいい加減怒る気力もないかもしれない。

「…マネージャーさんのために、あまり大声とか、喧嘩はよしておけ。」「わーってるよ…」なんてやりとりも聞こえた気がした。気のせいかもしれないけど、ありがとう。


学習時間も終えて、皆帰る時間になった。花咲くんが真っ先に「お疲れ様でした!」とお辞儀して部屋を出ようとするところを、なぜか雪室くんと遠山くんが服の裾を掴んで止めた。

「ええ〜?なんで〜?」「ちょっと、用事があるから。お疲れのところ悪いけどマネージャーさんも付き合ってくださいね。疲れを吹き飛ばしてあげますよ!」いつになく自信満々な顔の雪室くんの声に小首を傾げた。


「それで、なんで俺の家なのさ。」久瀬くんが雪室くんに問いかける。アポなし訪問なのか?「一番家広いでしょ?借りさせてもらうよ!」ここに来るまでの道中、スーパーに寄った。カゴいっぱいに野菜やらお菓子やらを詰め込んで、皆それぞれスーパーの袋を持っている。蔦屋くんが時折「何が起こるか、楽しみにしててくださいねマネージャーさん。」とニヤニヤしながら声をかけてきたが、なんとなく何をしたいのか分かっている。うん、バレバレだよ。雪室くんと久瀬くんが家に入り、事情を説明しに行った。その後腕を○の形にした雪室くんと呆れ顔の久瀬くんが戻ってきて、全員で家に上がらせてもらった。


「お邪魔しまーす。」玄関が靴で埋め尽くされた様子を見て、「今日は騒がしくなりそうだなぁ。」と久瀬くんが一言漏らした。

「キッチン借りますね。」「まぁ、料理男子?かっこいいわ〜!凰太ももっと自炊とかちゃんとしなさい!」「分かってるから。」キッチンで手早く準備する遠山くんに久瀬くんのお母さんが目を輝かせる。久瀬くんは人数が増えたせいなのかなんだか居心地が悪そうだ。

「マネージャーさん、座って座って!」雪室くんに誘導されるがまま、すごい高そうな椅子に座らされた。

「ちょっと、こんな高そうな椅子…!すみませんお父様!」「ああいいんだ。もっと高い椅子もあるから。」久瀬くんのお父さんはいいのいいの、と笑いかけてくれた。その辺を見回してみると、古そう、そして高そうな趣味のコレクションが壁に飾ってあった。こんな雰囲気で「パーティ」なんて逆に緊張しちゃう…って皆こんな家なのに…

「クッション柔らけー!!もこもこー!!」「このソファ、どこまでも沈んじゃいそうです!」「いい匂いがすると思ったらなんか高そうな芳香剤?か?」「まぁ、いいものに目をつけたわね〜!」お前らっ…!!

「人ん家でなぁにゴロゴロくつろいでんですか、しかもめちゃくちゃ高級そうなものベタベタ触りやがって〜…!!人ん家だからいつもの大声出せませんけどそれ以上やったらお尻ペンペンの刑…」「お尻ペンペンいやー!!」「静かに!!」「すみませっ!」まぁ静かすぎるよりはいいけど、またいつもの癖で大声で怒りそうになってしまった。ちょっと怒りっぽいのも直さなきゃいけないかもしれない。そんなやりとりをしているうちに、料理の匂いが漂ってきた。

「できましたよ、でもまだまだたくさん作りますから、たくさん食べてください。」

「それじゃあ、始めようか!」雪室くんが全員に呼びかけた。花咲くんはテレビに夢中になっていたが、他のメンバーはじっとこちらを見つめてきた。そして、

「『マネージャー慰労の会』!スタート!!」とどこから出てきたのか分からないタンバリンを叩いたりお面をかぶったりしたメンバーが「歓迎」の顔をした。「慰労の会」…?

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