また会おう、その時は絶対ナツ! 六十二球目
六十二
「笑ったのは、Fさんだった」
吹き出すように破顔をした。
いったいどれが笑いの種だったのか。自分のくしゃみ? はたまた気恥ずかしさから? もしかすると僕の驚いた顔だったかもしれない。ここまですべてが曖昧模糊。
抽象的バンザイだ。
「ただただ思い巡るくしゃみ一つ、そこに含まれる人間味と性別のイメージの垣根を軽々と超えた。アイドルとかに抱く幻想に近いものだったと思う」
「子供は――、大人は――、男は、女は――の固定観念ってことでしょうか。わたしも……ゼロってわけにはいきませんが」
「それでいいんじゃない。二千六百年以上続いているこの国の男女観を、ほんの数十年で変えようとするほうが、おこがましく感じるかな」
「……なぜ日本の建国年数を引き合いに?」
「うーん、いろいろあるんだよ、数年以内にね(舞台は二0二六年仕様ではない)。見た目から得られるイメージの仕草、言動、思想すべてが一致する人はいない。へーちょ、とくしゃみする人はリアルにいないようにね」
「……へーちょ?」
「小想が生まれるより前に放送されたアニメに登場する女の子の癖がすごすぎるくしゃみだ。ちなみにその作者、今は『よ〇ばと!』を描いてる」
「『よつ〇と!』わかります。図書室にあるので。なんか、その女の子好きになれる気がするので、チェックしてみます」
大阪はいいぞ。松岡さんのハマり具合も抜群。ど〇みちゃんのあ〇こちゃんも関西弁だし、そこも相まって僕もいまだに好きなキャラだ。
それと……学校の図書室に漫画あるのか。ラノベは置いてるところ増えてきているけど。
「話を戻そうか。さすがのFさんも笑ったことによる誤解を釈明するためか、一言、ごめんねと挟んで――」
僕はうずうずし始めていた。
「Fさんは少し早口気味で――」
僕も早口になっていく。
「笑ってしまった理由を話してくれた『自分から出たとは思えないくしゃみで、思わず心の中で〈わたしこんなくしゃみするの!?〉ってツッコんじゃって、そしたら笑いが堪えきれなくなっちゃった』と照れながら、はじめて目が合って話した」
「些細でもどちらかが意を決したわけでもない、正しく運命――が引き合わせた赤い糸をも超えた天と天が二人の背中を押し合ったよう。でも、夜夏さんが気になったのは、そっちの理由じゃないですよね」
小想の指摘にすぐさま頷いた。
「だから僕は勢いで聞いた『僕が廊下に出て来る前、なんで笑ってたんですか』って。異常にドキドキした。もしからかっている意味や僕が原因で笑っていても、素直に答えるわけがないのに。いや、Fさんがそんな感じの人じゃないのは、接点がなくてもなんとなくわかり切っていたんだけどね」
「大丈夫だったってことですね」
僕がそう補足するってことは、だもんな。そりゃそう受け取る。実際、合ってるし、小想の行間を読む能力がすごい。
「Fさんは恥ずかしそうにしていた表情のままキョトンとした。首を傾げ、アニメの可愛い女の子のように指をほっぺの下に当てたりはしなかったけど、目が斜め上に行き、しばし考えてから、『あぁえっと、これの、こと?』と僕に日誌を見せてきた」
二週間ほど空きました。失礼しました。幸先不安です。
週一更新もままならないのに、いざ長期やる!ってなって継続できるのか。
さて中身はあと一話でFさんと夜夏の馴れ初めが終わりです。そろそろ本当に野球をやりたいので。何年越し? 11年越し?
……あほかな?
では、来週(予定)
友城にい




