また会おう、その時は絶対ナツ! 五十九球目
五十九
長々と独白してしまった。
「まさにそうで、僕も見ているのがどんどん申しわけなくなって、目を逸らして、Fさんを視界から消そうとした」
「気まずくなりますよね。わたしだったら、相手に気取られないようにして逃げるかも」
小想の寄り添い方が名医のそれだ。
否定しない、意見に対し、しっかり頷きつつ答えている。
かなりの聞き上手だ。
「気取られたときは、大変ですけどね……」
ボソッと僕の返事を待つより先に、自分の言葉に付け足すように小想が呟く。
「生きて世間に出ていれば、嫌いな人、苦手な人との面識は避けられない。同じ空間を共有する日もあるだろう」
「……」
俯き気味だった小想の顔が、僕を見上げて止まる。困惑かもしれないが。
「人間は夢で、あらゆることを想定したシミュレーションをするらしい。リアルで出くわしたときのストレスを減らすためだと考えられている」
「でもわたし、夢の内容覚えてないですよ」
「自分で覚えてなくていいんだ。人間は自分が思っている以上に賢くできている」
「潜在的ってことですか?」
難しい言葉を知っている、と感心しつつ、僕は自分の頭を指差す。
「そう。あくまでも脳が勝手に、小想が日常生活で見たものの中から学習想像を働かせて、小想が今後感じるかもしれないストレスから守る準備、耐性を作っておく。防衛本能ってやつだ」
「それどうやって最初の人は見つけた、気づいたんでしょう」
小想は僕の顔から視線を逸らし、ヒメたちの勝負のほうを見る。時折、莉乃の不満めいた声が響いてくる。逆に冬葉や南雲ちゃんはまったく聞こえない。大声出すキャラでもないけど。
「今こうして夜夏さんからお聞きする分には、なんの違和感もなく受け入れられますが、これを最初に発見した方はおそらく、たくさんの同業者、権力のある方々の前で発表したわけです、よね。夢のこの話にかぎらず、わたしが当たり前に知っている現象とか、法則とか人間学、身の回りの便利なアイテムひとつ取っても、汗と涙の結晶なのは言うまでもありません。インフラや医療だって、きっと同じです」
段々と小想の言葉に熱が帯びてきた。宥める、フラットに戻すためにも、小想、と制止をかける。
しかし、壊れた蛇口のように喋る口が止まらない。
「治療法の確立。特効薬の開発。供給量の確保。コスト面の抑制。まず話したいのは、治療法、方針です。まず前提として、診断で病名がわかって処方箋が交付される。ここだけでもすごいことです。しかもこの国では義務で全国民に保険加入がされるのに、かなりの少額、世代や世帯の条件を満たしている方には無料での医療の受診が当たり前です。これは極めて世界から見ても稀、びっくりされる制度です。それもこれも、国民にお金を理由に命を粗末にしてほしくない、戦時中を知っている方の真心を感じます」
できるまで国民の大半が農民や自営業だったってのも背景にあるみたいだけどね。
唐突な保険のあり方と医療ネタ。おまけに次回はまるごと。もしかしなくとも間違ったことを書いている場合もあります。まあ空想だし、小学生の子の付け焼刃ぐらいに思ってもらえたら。
小想に限らず、真卯や雪華のキャラに肉付けをほとんどやってないので、その場の思い付き…いつものことですが。矛盾してそうで怖いですね。
一応、過去のも逐一確認していたりしますが。
では、また来週にでも。
友城にい




