表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
74/84

ep74 トランプ大会

 食堂には美月が作った夕飯が並ぶ。


「ハンバーグだ!」

「ハンバーグ、大好き!」


 双子が嬉しそうに美月の周りをまわる。蒼も机に並んでる食事を見てよしっとガッツポーズをする。机の上には美味しそうなハンバーグに付け合わせとご飯がワンプレートになっており、別の皿にそれぞれサラダとコンスープがよそわれている。


「みぃさんのハンバーグ美味しいよね」

「ありがとう、蒼」


 嬉しそうに笑う蒼に美月も笑顔ですお礼を言う。そうこうしているうちに、住人達がみんなリビング兼食堂に集まってくる。


「あれ? 私が最後かぁ」


 ビール缶片手に和泉が食卓につく。ビール缶を見て美月が顔を顰めて注意する。


「お姉ちゃん、またお酒飲んで」

「大丈夫だよ、美月ぃ。ちゃんとゆいへのツケで買ってるからさぁ」

「……まぁ、それなら」

「えっと、そういう問題なのですか?」


 まだこの駿河家(孤児院)に来て日の浅い昴は疑問に思うが、他の住人達は何を当たり前のことをと言うように昴を見る。そして代表して姫が理由を語る。


「ゆいのツケなので、ここの経営には影響がないですからね。それにあの死にたがりを生に留めるには借金漬けは効果的な事が実証されましたから」

「死にたがり? 山吹がか」


 食堂に入ってきた来宮が興味深い話を聞いたと言うように尋ねる。それに美月が少し躊躇ってから答えた。


「死にたがりとは少し違います。ただ、生に興味がないんですよ。今は借金返済に向けてと、お姉ちゃんがさらっとかけた死亡保険を誰が酒代の為に死んでやるかって気持ちだけで生きてるところがあるんです」

「あの吹雪が……」


 美月の言葉を聞き、昴が目を見開く。


「無責任なんだよね、ゆいは。ここにいる人間の半分以上はゆいが拾ってきたのに面倒は私達に押し付けている」

「えっ? 面倒見てるのみぃさんで、いずさんはお金稼いでるだけじゃん」

「蒼、お金を稼ぐのも立派だからな? お前みたいに天才的な頭脳で株で一儲けできる人間とは違う」

「俺は天才じゃないってば! それに全部親の借金で消えてるからな!?」


 和泉と蒼が軽快に言い合う。来宮と昴以外はその内容を今更だと言うように夕食に手をつけ始める。しかし、来宮と昴は違った。来宮は興味深そうに、昴は驚きで目を見開きながら2人の会話を聞いていた。


「まぁ、俺もゆいがいなくなったら依存先が一つなくなるから協力はするんだけどさ」

「安心しろ、ゆいの計画をひっくり返したりめちゃくちゃにしたりとかなり貢献してる」

「いずさん、それどう言う意味!?」


 真剣に話す蒼を和泉は揶揄う。真剣な空気は消え去り、食卓には笑い声がこだまし始める。


「眞琴さんも、昴君もあまり気にしなくてもいい事ですよ。もう終わった話でもありますから。珍しくお姉ちゃんのアル中が役に立った話とだけでも思っていてください」


 笑いながら美月がそう言う。それに対して蒼が思い出したかのように爆笑した。


「あの時のゆいの絶望的な顔凄かったよな。ここの経営全投してるからいずさんに強く言えなくなっててさ」


 蒼は本当に楽しそうにしている。それを見て月陽は呆れたようにため息をつく。


「あれを面白がれるのは蒼ぐらいだと思うよ? 普通に人殺しそうな瞳してたからね、ゆい」

「すごかったー」

「怖かったー」


 月陽の言葉に双子が反応する。美月は流石に教育に悪いと思ったようで両手をパンっと叩き、この話は終わりというように微笑む。


「食事時にする話じゃなかったね。とりあえずご飯冷めちゃう前に食べてください」


 そして話は終わった。みんなそれぞれ今日あったことを話しながら夕食を楽しんだ。


 夕食を食べ終えると、手分けして片付けを行う。そして洗い物を終えると蒼は元気にロビーへと行く。蒼に続いて双子が楽しそうに駆けてくる。

 その後から他の参加者もついてくる。驚く事に来宮と和泉も参加するという事で参加者は10人となった。


「蒼! なにやるの?」

「まずは何やるの?」


 1つのローテーブルの前に蒼と双子は陣取り、持ってきたトランプを切り始めた蒼に双子が楽しそうに話しかける。

 他の参加者もテーブルの周りに集まる。


「トランプ一応2つ持ってきたけど、どうする? 10人でババ抜きから始める?」


 楽しそうな蒼に双子が「わーい」と蒼の横で飛び回る。

 姫は盲目の為、昴とコンビを組んで行った。

 そこからババ抜き大会が始まった。人数が多くなった為、2チームに分かれて1回戦をそれぞれ行い、上位と下位で分かれて最強と最弱を決める。最強は蒼と来宮の腹の探り合いがすごく、見ていた姫&昴コンビが怯える事態が発生した。


「ほぉ、なかなかやるな、椎名」

「まこっさんもやるね」


 固く握手を交わす2人。


「天才2人が手を組むと怖いわね……」


 昴から様子を見せてもらってる姫が怯えたように小さく呟いたが、それは2人には届かなかった。

 その後、腹の探り合いのポーカーがとても盛り上がった。

 そして夜は更けて、大盛り上がりとなったトランプ大会はお開きとなる。

 それぞれが、挨拶をして部屋に帰っていった。



 

今日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

次回は、明日20時に更新予定です。


続きが気になりましたら、ブックマークで応援していただけると非常に励みになります! ぜひ、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ