表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/47

ep38 犯人の本拠地発見か?

 ワンボックスカーに乗り込んだ純達は、GPSを頼りに当夜の後を車で追う。翼の代わりに助手席に乗り込んだ純がGPSの様子を見ながら、風見に指示を出す。


「次の信号を右です」

「わかった。あのガキ大人しくしてればいいんだけどな」


 1人で勝手に突っ走った当夜を心配しながら風見は運転に集中する。車内には緊張が張り詰めており、空気が重い。普段ならニコニコと微笑んでいる翼さえも後部座席に座りながら真剣な表情で窓の外を見つめている。そんな車内には道案内をする純の声だけが響く。重苦しい空気の中、車は30分程走る。

 車は別荘地についた。


 そして近くに当夜のGPS反応があると純が伝えると少し離れた位置に車を止め、そこからは徒歩で行く事になった。

 風見は子ども達を見回し、代表するように瑞稀に車のキーを差し出す。


「いいか、危険を感じたらすぐに車に逃げて籠城しろ。俺の車は防弾仕様だ。中から開けない限り安全なはずだ」


 そして指示を出し終えると5人の先頭を風見、その後ろに場所を指示する純。そして最後尾を翼で固めて、6人は当夜がいると思われる別荘の1つの前で止まる。風見は後ろを振り向き子ども達に静かに言う。


「とりあえず俺はガキを回収してくる。お前らはここで待機。何かあったらさっき言ったとおりにしろ。翼、後は任せたぞ」

「了解、風見さん。結城君をよろしくね」


 5人が頷くのを確認すると風見は木々が生い茂る別荘の中へと忍び込んだ。




 ♢♢♢♢




 別荘地でも1番大きな屋敷の大木の1つに当夜は息を殺して隠れていた。自転車は車が屋敷の敷地に入るのを確認し、近くに隠すように置き、走って侵入していた。

 侵入するとすぐに車から3人の人物が降りてきた。

 1人は同い年ぐらいの優男、残りの2人は20代後半ぐらいの青年だった。1人の青年に2人が説明をしながら屋敷の中に入っていく。

 3人が屋敷の中に入るのを確認すると当夜は詰めていた息を吐く。風が吹いており、草木を揺らす音が静寂の中に響く。当夜はこれからどうするか考えた。


(あの時は危険な運転だったけど、今回は安全運転だった。それに誘拐事件にしては何か違和感が……)


 3人はそこまで険悪ではなかった。誘拐したのならまだ車の中にいるのか? と当夜が車を覗き込もうと動いた瞬間、背後から口を押さえられた。


「ーーっ!?」


 驚いて視線だけを後ろに向けると怖い顔をした風見がいた。


「いいか、手を話すが叫ぶなよ?」


 風見の問いに当夜は首を縦に何度も振り頷く。それを確認して風見は当夜の口から手を離した。そして小声で今何をしようとしていたか尋ねる。当夜は車の中に被害者がいないか確認しようとした事や男が3人屋敷に入って行った事を説明する。

 風見は説明を聞くと表情を少し崩して小声で当夜に指示を出す。


「俺が確認する。敷地の外の門のところに翼達がいるから合流して、指示を仰げ」

「でも……!!」

「この件に関わる条件は俺の言う事を聞く事だ。忘れたのか?」


 風見が小声で凄むと当夜は何も言えなくなる。不服そうにも頷くのを確認して風見は口角を緩めた。

 そして当夜が敷地外から出たのを確認すると、気配を消し、車に近づき窓から中を覗く。スモークガラスになっており、中を除けない。

 風見はポケットから何かを取り出すと車の近くでいじり始めた。そして数秒で車のロックが外れる。静かに後部座席のドアを開けて中を確認する。そして誰もいない事を確認すると扉を閉め、またポケットから出したものを弄って車のロックをかけた。


(中には誰もいないって事は、今日は誘拐してない。もしくはあの仮説通り、被害者も協力してる……? )


 風見はそう考えなら、一度敷地外に戻り子ども達と合流する。外に出ると心配そうな瞳が一斉に風見を見る。その様子に風見の口角は自然と上がる。


「俺は今から、嘘の捜査の聞き込みを装って屋敷の人間に接触する。お前らは危険だから車で待ってろ。問題なかったら翼に連絡する」

「ここまで来たんだ! 最後まで協力する!」


 風見の言葉に当夜は喰らいつく。しかし、風見の鋭い眼光に睨まれ勢いをなくす。風見は諭すように当夜に話しかける。


「ここを発見できたのは色々言いたい事はあるがお手柄だ」


 当夜の頭をポンっと叩き、他の5人に向き直る。


「お前らをここまで連れてきたのは友達が心配だろうだからだ。事件にガキが関わる必要はない」

「結城達はそうかもしれない。でも私は……」

「月詠様だかなんだか知らないが、お前もまだガキだ。天宮ちゃんの方針と俺の方針は違う。ガキに頼らずとも警察(大人)だけで解決できる。車で大人しく待ってな」


 有無を言わさない風見に詩織は何も言えなくなる。


「風見さん」


 緊張した空気を壊したのは普段通りの明るい翼だった。


「そう言う約束だったから、私達は車で待機しますよ。そうしないと場所はわかったからって一旦私たちを送り届けてからまた戻ってきそうだしね」


 いつも通りニコニコ笑う翼。それがどこか不気味に感じる。

 しかし、風見は慣れたようにいなす。


「わかったんなら、戻って待機。自転車は後で回収するから真っ直ぐに車に戻んな」


 そして子ども達が車に戻って行ったのを確認してから、風見は別荘のドアベルを鳴らした。


 

今日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

次回は、明日20時に更新予定です。


続きが気になりましたら、ブックマークで応援していただけると非常に励みになります! ぜひ、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ