表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に渡りてヒーローとなる  作者: 黒白鍵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/27

古き者の監視者⑤

長らくお待たせしました……!

忙しかったり色々で更新だいぶ滞ってました!(土下座)


「それじゃ、くれぐれもよろしく頼んだ。間違っても壊すなよ? というかシオンに何かあってみろ。その時は全力でぶっ殺すからな」


「わかったわよ。そんなに威圧しなくたって真面目にやるわ」


 遺骸核(ロウェルコア)の性能お披露目の翌日。

 俺はスプリアに遺骸核を託し、ティナと一緒に学院長室を後にした。

 俺の方は俺の方でやる事があるからだ。


「それじゃ、今日は魔力と適正魔術の測定、それから魔術の使い方についてやっていこうか」


 ティナは昨日と同じ建物に俺を連れ込んで、同じように中から魔術で空間を隔離。

 聞いてみれば、何かトラブルがあっても大丈夫なように対策しているだけで、別に俺の存在を隠すとか、そういう意味は無いそうな。

 確かに、建物自体が破損したりすると修繕とかが面倒そうだし、そんなもんか。


「測定を始めるけど、何か質問はある?」


「道具とかが無さそうだけど、どうやって測るんだ?」


 測定云々と言われれば、測定器具のような物を使うのが定番だと思ってた。

 ラノベとかでは水晶玉だとか、測定用の道具がある事が殆どだったが。


「使ってもいいけど、私が直接確認した方が手っ取り早いしね。カイトみたいなタイプの人は、道具が対応してなくて壊れる、なんて事もあるだろうし」


 ちょっと失礼、とティナは俺の心臓の辺りに右の手の平を当てる。

 少しずつ、何かを吸い取られているような感覚を覚えながらも、俺は身を委ねた。

 どうせ魔力が云々という理屈はわからんしな。


「属性適正は……無いね。無属性」


 属性適正、という文言からして、火とか水とかの属性の適正が無い、という事らしい。

 まあ、どう考えても俺に知力なんて存在しねーしな……。

 どちらかというと、魔術だとかそういうのは、相棒の方が向いてそうだ。


「魔力そのものは……相当あるね。総量がどれだけあるか、わからない」


 目を閉じて集中していたティナが、驚きに目を見開く。

 まあ、神様らしい存在が人間の魔力総量を測れないとなると、驚きもする……か?


「それってすげーの?」


 魔術というものが存在する世界である事は理解していたが、細かい理屈がどうこうってのはサッパリだ。

 ゆえに、何がすごくて何がすごくないのかなんて、わかりゃしない。


「とてもすごいね。スプリアですら、限界はある。それを私は測定できる。でも、それができないから……ものすごくとてつもない量の魔力があるのか、もしくは無限、なのかも」


 俺の心臓に触れていた手を放し、腕を組んで考える仕草をするティナ。

 ご立派な胸部装甲が強調されて、眼福である。


「結局の所、俺は魔術を使えるのか? 魔力とやらがあっても、適正が無いんじゃ使い物になんねーと思うが」


 中途半端に期待を持たせるくらいなら、いっそ才能無いよお前ってスッパリ言ってくれた方が、期待しなくて済む。

 いかに憧れがあっても、才能が無ければどうにもならんわけだし。


「焦らない焦らない。まだ魔術適正が無いなんて言ってないでしょ」


 若干捨て鉢気味の俺を見て、ティナは苦笑いをしながら腕組みを解く。

 あっ、せっかくの眼福タイムが……。


「魔術適正はちゃんとあったよ。創造魔術。それがカイトにある魔術の適性」


 そうぞう、まじゅつ?

 耳慣れない単語に、俺は首を傾げてしまう。

 座学は苦手なんだよなあ。


「ま、これは見てもらった方が早いかな」


 そう言って、ティナは右手の平を上に向けた状態で俺に見える位置へ。

 すると、僅かな燐光が弾け、彼女の右手の上には、小さな木の球が。

 いきなり何も無い所から、木の球が出てきた……?


「これは、私の魔力で作った木の球。形を失えば、魔力に戻る」


 俺が顔を近づけてまじまじと木の球を観察していると、ティナは生み出した木の球を握り潰す。

 すると、木片になるのではなく、魔力と思われる燐光となって消えていった。

 再度ティナが右手を開くと、その手には木の粉も欠片も存在しない。


「魔力に形を与えて、一時的に固定する。それが創造魔術だよ。例えば、こんな事もできる」


 ティナが右手を頭上に掲げると、その手に簡素な剣が姿を現す。

 そして、それを胸の前に移動させると、僅かな燐光と共に形状を変化させ、1本のナイフへと変えた。

 1度生み出した物でも、形を変える事ができるのか。

 上手く扱えれば、応用が効きそうだ。


「俺にも同じ事ができる、のか?」


「努力次第でね」


 まあ、さすがに無料で使えるほど生易しくはないか。

 とはいえ、ティナが見せてくれたのは、まだできる事の一端なんだろうけど、俺に魔術を使うという希望が残されていたのは、シンプルに嬉しい。

 

「それじゃ、まずは魔力を動かす事に慣れてみようか。いくら大量に魔力があっても、操れないんじゃ意味が無いからね」


 それから、ティナの魔術講座が始まったのだが……。

 俺の魔術の習得は、初歩中の初歩で躓いてしまった。

 自分の魔力を操る。

 字面では簡単だが、今まで魔力なんてものに触れた事の無い俺からすると、まるで空気を掴むかのような話だ。

 クソ、こんな所で躓くなんて……。


「……まあ、魔術に馴染みの無い世界から来たんだし、初日なんてこんなもんでしょ。時間ならあるから、焦らずにゆっくりやろう。ほら、根を詰めすぎても上手くいかないだろうし、とりあえずお昼にしよ?」


 四つん這いになって絶望していたら、そういえば腹が減ったな、と頭を上げる。

 どうやら、夢中で練習するあまり、いつの間にか昼になっていたらしい。


「スプリアから食堂の使用許可が下りてるから。案内するよ」


 ティナに連れられ、俺は訓練所から学院の校舎脇にある建物へ。

 結構な大きさの建物だ、と思っていたら、どうやらここは学生寮らしい。

 男女様々な学生が、皆一様に同じ制服を纏い、思い思いに過ごしている。

 どうやら、寮の食堂を利用する、という事のようだ。

 一緒に食事……実質これってデートでは?

 そんな考えに至った俺は、午前中の精神的な落ち込みなど忘れて、ティナとの昼食を楽しんだのだった。

 なお、ティナはいつの間にか制服姿になっていて、ごく当たり前に学生たちの中に紛れていた模様。

 きっと、これも魔術によるものなのだろう、と後々に考えたが、当然今はそんな思考に至るはずもなく。

 ともあれ、ティナとの楽しい昼食デートを楽しんだのだった。

しれっとイチャイチャ(本人のみ)してるつもりのカイトくん。

当然、ティナ側は何にも思ってません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ