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LOST ~異世界だろうが恋がしたい~  作者: 鈴木 澪人
第一章

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客室の不正使用

魔法師団 総督 ルーク・クレアシオン(クレアシオン王国 第四王子)

「この案件は、ハリスに確認だな」


今日は、魔法軍にある執務室での作業だ。

その時々の重要度によって色々な場所で作業をする。

実質軍のトップなので気を付けないと直ぐに寝首を搔かれてしまう。

兄上達のほうが適任だと何度も訴えたがそれぞれの仕事が忙しいらしく私しかいないと突き返される。


「いちなにメッセージを送っても弾かれてしまうし…」


寮での歓迎会に出席したかったのだが、仕事が多いし警備の面で大変だということで行くことができなかった。替わりにメッセージを送ったのはいいのだが、ここ2・3日ぐらいから

届かなくなっている。


「嫌われてしまったのか?」


1日1回しか送っていない…。ロストの人にとっては毎日はしつこいのかもしれないな。


「この前は偶然ここで出会えたのだがな」

いちながきっかけで魔王様から爪痕を残されるという事件が発生していた。

私には事後報告で済ませようとしていたハリスには苦言を言ったがどこまで伝わっているのやら。


「そういえば、あれからいちなへメッセージを送ることができなくなっているのか」


一般人が魔法軍の施設に入るのは手続きが多くて難しい。

きっとハリスが強引に進めたのだろう。

さすがに、私の許可までは必要ないからな。


ついつい、色々と考えが巡った為作業が止まってしまう。

それを見かねた秘書が係りの者にお茶の準備を指示してくれていた。


私が疲れた時に飲むカモミールティーと口休めのお菓子をそっと出す


「ありがとう」


礼を言いながら私はそれを一口飲んだ。

書類から目を逸らすために窓の外の風景を見る。


「今日もこの国は平和なのかもしれんな」


こんなに軍事力を維持し続ける意味があるのだろうか、と思う時もある。

もう少し縮小すれば私も肩の荷が降りるんだけども


秘書がタイミングを見計らって声をかけてきた

「ルーク王子、少しお耳に入れておきたいことが」


「なんだ」


「実は、魔法軍の来賓用の客室が少し前から使われていまして…」


「魔法軍に視察が入る予定などあったかな?」


ルークは自分の直近のスケジュールを思い出す。

その部屋が使用されているということは、もれなく私との会談もあるからだ


「はい、王子との会談予定はありません」


ルークは秘書に視線をやると


「では、誰かが私用で使っているのか?」


いやいや、さすがにそのような者は魔法軍にはいないだろう。

個性豊かな魔法師とて基本的には軍規に則って行動しているのだから


「はい、調べさせたところ ロストのタカハシ・イチナというものが滞在しているようなのです」

「えっいちなが?」


秘書はルークが知っていることに驚く


「ルーク王子はタカハシ・イチナをご存じなのでしょうか?」


「うむ、何度か会っているからな」


タグメッセージが届かなかったのは、ここに滞在していたからなのか…。

機密事項が多い為、私用のメッセンジャーは使えぬからな。


返信が来なくて気持ちが落ち込んでいたが、自分と同じ施設にいると分かった瞬間その落ち込みが嘘のように消える。


「いちなに会いに行くことはできるのか?」


ルークの問に秘書は


「はい、できればなぜ滞在しているのかを聞いていただければ助かります」


確かに、この施設の管理者からしてみれば身元の良く分からないロストの人間が客室を利用しているのは安全上問題があるという事か


「ハリスには確認したのか?」


秘書は答えづらそうに


「はい、始めはフルーム師団長に問い合わせをしたのですが、詮索不要との返答しか返ってこなくて…」

また、ハリスとはゆっくりと話し合いが必要なのかもしれんな。


「分かった、とりあえずいちなに会いに行って話の内容しだいでは私が預かることとしよう」


「そうでございますか…えっ?ルーク王子がですか?自身の自宅に戻せばいいと思うのですが」


「あの部屋は一般人がいたいと言って居座れる場所ではなかろう、誰かに強制的に宿泊させられているのかもしれん。同じことが繰り返されるぞ。次は行方知らずとして」


確かに、秘書からすれば人一人ぐらい消えてもさして気にならないかもしれないが


「いちなは、魔王様に気に入られている。お主はそれを知っても同じ対応ができるのか?」


その名前を出すと、秘書の顔色が変わった。


「ルーク王子の仰る通りにいたします」


いちなは私の宮を見たらどのような感想を言うのだろうか

きっと驚くに違いない。

部屋はどこをあてがうのが良いのかな

あまり派手に動くと目ざといティティに気づかれてしまう。


ルークの頭のなかでは既にいちなを自分の宮に呼ぶことを前提としていた


「とりあえず今日はもう遅い、明日改めていちなの滞在している客室を訪れるとしよう」


「はっ承知しました」


ルークは冷めたカモミールティーを飲み干すと、残りの作業を意欲的に片づけた。

一番偉い人なのに蚊帳の外状態


最後までお読みいただきありがとうございました。

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