いちな、魔法軍に仮入隊? 3
ロスト 高橋いちな
オーモンド隊 隊 長 ロン・オーモンド(少尉)
副隊長 イアン・グレイ
隊 員 リズ(愛称のみ、紹介できなかった)
エリノア・バントン
焦っているロンを見たイアンはすぐにロンの近くに行く
原因を知りたくてロンの視線の先を追うと、いちなの目の色が黒から灰色に変化している。
目の色の変化と比例するようにいちなの背後には白銀の粒子が集まりだしていた。
「隊長、どうするんですか…」
イアンがジト目としながらロンに指示を仰ぐ
「いちなちゃんの魔力暴走を止められる人なんていないよ」
「イアン、始末書書くの手伝ってね」
「リズ、エリー、君たちは早くこの部屋を出なさい。間違っても攻撃しないように」
「イアンもこの部屋を出るんだ」
ロンの指示をすぐに実行する3人。
部屋を出るときにエリーが聞いた
「隊長はどうするのですか?」
ロンは苦笑いしながら
「さすがに、きっかけを作ったのは僕だから責任とらなきゃね」
3人は苦渋の決断で部屋を出て行った。
いちなとロンの二人が残った。ロンは息苦しさを感じ始め軍服の襟元を緩める。
「いちなちゃん、聞こえる?」
優しくいちなに声をかける
「聞こえてますよ。私、本当に怒っているんですからね」
一発殴らせてください…とロンに向かって言う
「ん~いちなちゃんの今の魔力を保持したまま殴られると僕、死んじゃうかも」
これは、強制的に眠ってもらうしかないかなとロンが掌から魔法で針を創造する。
「じゃあいきますよ!」
いちなはグーでロン目掛けて右ストレートを放とうとした時、後ろから手首を掴まれる
いちなとロンがそれぞれのタイミングで 「えっ?」 という表情になる。
ロンは針をすぐに消滅させる。
いちなは、自分の行動を止めている原因を見るために振り返ると
「いちな、魔力を放出しすぎだ」
魔王がいちなに優しく諭す。
「だって、一度出したら止め方が分からなかったし、ロンさんがいじわるするし」
いちながロンを見ながらふてくされる。
ロンは両手を胸の前で上げて
「すみません、そこまでいちなちゃんが怒るとは思わなかったです」
と降参して謝罪をした。
魔王は、片手でいちなの手首を抑えたままもう片方できのこのオブジェを取り出し置ける場所を探してから、近くの机に置く。
すると、いちなの魔力がきのこのオブジェに吸い込まれていった。
「その魔力を帯びた状態でたとえ素手でも殴るとあやつは木端微塵になるぞ?それでもいいのか?いいんだったら止めないが」
最後の一言はいらないとロンは思ったが言えない。
いちなは、魔王の言葉を聞いて
「それは…良くないです」
とシュンとしながら上げていた右手を下ろした。
魔王はそんないちなを自分の方に向かせて少し屈んで目線を合わせる
「そうか、理解した。しかし、急な魔力放出はいちなの体も耐えられなくなるから気を付けるように。分かったか?」
「はい…。ごめんなさい」
魔王はいちなの言葉に納得して
「うむ。あとで、さきほど回収したいちなの魔力でできた石を渡しておくから大切にせよ」
「後で?」
いちなは魔王がきのこから取り出すのを待つことができるのに?と思ったので疑問に思う
「あれ?」
いちなの全身から血の気が引くように力が抜けていく。自分で立つことができなくなると魔王がそっと抱き上げる。
「急激な魔力放出による魔力切れだな」
といちなに説明した魔王だったが、すでにいちなは気を失っていた。
魔王は周囲を確認し、ソファーを見つけるとそこにいちなを寝かせる。
きのこのオブジェから白銀の粒子が待っている魔石を取り出すと新しい魔石と交換し、きのこを自分の内胸ポケットに片付け、魔石をいちなのズボンのポケットに入れた。
一通り作業を終えた魔王は、ロンを見る。
「さてと、本来ならいちなに危害を加えようとしたお主に印をつけてやっても良いのだが」
その言葉にロンは冷や汗をかく
「…このいちなの服装に免じて許してやろう…」
魔王様、ショタっぽい服嫌いじゃないんだ…。
「ありがとうございます。」
「しかし、この前印を付けた奴は先ほどきちんと処分しておいた。」
魔王はロンを見据えると
「いちなの扱い間違えるではない」
ロンは片膝をつき頭を下げると
「はい、魔王様の仰せの通りに」
ロンが頭を上げた時には魔王の姿は既に消えていた。
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