いちな、ロンと夕食を食べる!
ロスト 高橋いちな
オーモンド隊 隊 長 ロン・オーモンド(少尉)
「本当に二日も寝ていたんですね…」
ロンが私に食事の手配をしてくれている間、何があったか説明してくれた。
結界が張られていた事やドアノブを触ることができなかった事など
しばらくすると、ノック音が聞こえロンにベッドで待っているように言われた。
「いちなちゃん、食事の用意ができたから食べよう」
寝室の隣の部屋に二人分の食事が用意されていた。
「もしかして、ロンさんも夕食とれなかったんですか?」
「ああ、でもそれは僕が必要ないと思ったからだからいちなちゃんが気にする必要はないよ」
とフォローしながらいちなに席に座る様に促した。
「じゃあ、冷める前に食べよっか」といって二人は夕食を取った
いちなは、二日ぶりなので固形物がほぼないあたたかなスープがメインだった。
ロンは、成人男性らしくガッツリお肉料理だった。
二人で夕食をとってお腹が落ち着いたころ、配膳してくれた従業員らしい人が食器を回収しにきた。
「ありがとうございます。美味しかったです」
いちなはお礼を言うと、その従業員はお辞儀をして部屋を出て行った。
「いちなちゃんは誰にでも丁寧な対応するよね」
食後の紅茶を飲みながらロンが感心していた。
「感謝は基本ですよ」
少し胸を張って自慢してみた。
「そっか…」
ロンは疲れているのか珍しく興味がないようで聞き流していた。
いちなも紅茶を飲みながら疲れているであろうロンを観察する。
いつもはきっちりと着こなしている軍服の上着を脱いでワイシャツ姿になっている。
ワイシャツの上にはショルダー型のタガーホルダーを装着していた。
強い視線を感じたロンも
「そんなにしっとり見られると恥ずかしいよ」
と微笑みながらからかった。
「いや…」
「その、なんというか、武器を普段から携帯しているんですねっと。」
気まずそうに
「やっぱり軍人さんなんですね」
ロンはいちなが言いたいことを理解し
「そうだね…僕はあんまり経験がないけどね」
ロンは、おもむろに立ちだし
「あまり夜遅くまで女性の部屋にいるのもマナー違反だし、僕はこのまま帰宅することにします。また明日、迎えにきます。」
ロンは部屋を出る前に
「いちなちゃんはこの部屋から出ることはできません。お風呂、トイレはこの部屋の中にあるので自由に使用してくださいね。明日、僕が朝食を持ってきますのでそれまで大人しくこの部屋にいてください。」
「おやすみなさい」
というと静かに部屋を出て行った。
ロンの後ろ姿を見送った後
「えっこれって軟禁状態なの?」
いちなは、ロンの言葉が信じられずとりあえず部屋のドアノブを開けようとした。
ガチャ、ガチャ
「鍵がかかってる…」
物理の魔法でドアを開けることを一瞬考えたがちょっと面倒だと思ったのでそのままお風呂に入って寝ようと思った。
お風呂場の鏡で自分を確認すると、黒目黒髪に自分の姿がそこに映っていた。
さっきまでいた魔王城での自分の姿と全然違うので魔王とあった事が夢だったのかと思うほどだった。でも、あのスイーツの美味しさは夢じゃない、本当に美味しかった。
体もスッキリしたのでクローゼットにあった適当な服を身に着けベッドに入る。
十分睡眠をとっていたといちなは思っていたがやはりベッドに溶けるように眠った。
最後までお読みいただきありがとうございました。




