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LOST ~異世界だろうが恋がしたい~  作者: 鈴木 澪人
第一章

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結界案件 後編

※この回は後編です。ご注意ください。


魔法師団長 ハリス・フルーム

オーモンド隊 隊 長 ロン・オーモンド(少尉)

       副隊長 イアン・グレイ


※楽しい内緒話の後の魔法師団の動きです。

部屋には、イアンが紅茶を飲みながら休憩していた


「お疲れ様~。姫はどうだった?」

イアンはロンのを見ると彼の分の紅茶を入れる。


ロンはそれを受け取ると

「ありがとう。うん、結界が張られていたよ」


「あーそうなんだ、やっぱタカハシ殿怒らしちゃったね」


残念、残念と言いながらイアンは自分の席に戻り焼き菓子を食べながら紅茶を飲む


「ちがう、いちなちゃんの魔力じゃないよ。黒だったから」


イアンは飲みかけの紅茶を喉に詰まらせたらしく席こんでいた。


「ゴボッ。すまん。えっまさかの魔王様?大丈夫なの?」


ロンも紅茶を飲みながら

「実は、分からん」


「えええ~。駄目じゃんよ。ロンがお手上げなら…師団長に報告をしたの?」


ロンはハリスの大人の事情をもうこれ以上広げるのは面倒だと思い


「師団長とはすれ違いになったからモーエン副師団長に報告したよ」


「そっか、一応上層部に伝えてるから大丈夫だな」

イアンの焦りも落ち着いたらしく再び紅茶を飲みだした。


「ということで、僕とイアンはいちなちゃんと会えるまで軍の寮でお泊りな」


「え~。ロンは隊長だから個室だけど、俺の部屋は狭いんだよ~。壁薄いしプライバシィ~ないよ。ロンだけでいいんじゃない?」


意外と宿泊に対してゴネるイアンを不思議に思い。


「僕の部屋の客室使うのでどう?手を打たない?」と妥協案を出してみた。


「よし、ロンの部屋で飲み会な」

とイアンが言いながら帰り支度を始めた。


イアンのやつは自分のお気に入りの酒を見つけては遠慮なく飲むので部屋に招くのは嫌なのだが今回は妥協した…本当は嫌なんだけど


「今日は結界外れる感じじゃなさそうだし。酒は今日だけだからな」


と言いながら二人で退室した。


イアンと飲みすぎた次の日、エリーの正式な刑罰の発表を終えた後

いちなが宿泊している客室に向かうと、昨日の夜勤の魔法師とは違う魔法師が警備をしていた。


「「おはようございます!オーモンド隊長」」


少し、ほんの少しだけ二日酔いのロンはその声で脳みそが絞られるような痛みを感じた後


「おはよう、元気だね」

と少しだけ嫌味を言い(警備の人は悪くないって分かっているんだ)経過報告を聞く。


どうやら、少しずつ結界の濃度は薄くなってきているみたいだ。

試しに再びドアノブを触ると静電気が走るレベルにまで落ち着いていた。


「引き続き警備を頼むよ」


ロンはそう伝えると通常業務に戻った。

自分の部屋に戻ると同じく二日酔いしたイアンが小声で


「師団長から呼び出しがあったぞ」


と端的に伝えられて、ロンも頷くと席に座らずにそのままハリスの執務室に言った。


ハリスは、いつも通りに戻っておりモーエンから聞いていた内容の確認となった。


「とりあえず、いちなさんの客室に行ってみようか」

ハリスの一声で二人はいちなの部屋に向かう。


二人で、歩いているとハリスが

「…ニコから聞いたよ。すまないことをしたね」


「いいえ大丈夫です。緊急でもありませんでした」


「そうか」

ただ、家に帰れよな! とだけ心の中で言った。昨日を含めて二度目だが。


いちなの部屋に近づくとハリスは小走りになった。

ロンは、警備の魔法師達を一時的に解放し二人で状況確認を始める。

そして、薄くなったが張られている結界を見ると


「これが、魔王様の魔力の色…。資料で知っているが実際見てみると全然違うのですね」


ロンには色しか分からないが、ハリスからみたら別の何かにみえるのだろうか。

ハリスは触れるか触れないかのギリギリの所をなでるように指を添わす。


「魔王様の魔力も本当に美しいんですね」


ロンは、ハリスがここで昨日の状態になっては危ないと思い、トランス状態になる前に指示を仰ぐ


「師団長、ここは現状維持でも大丈夫でしょうか?」


ロンの声に現実に引き戻されるハリス。


「そうですね。この魔力では私たちではどうにもできません。そして、この件はルーク王子に報告は必要ないでしょう」


「はっかしこまりました」


「それでは、ロンは警備の魔法師を元に戻してください。私は先に戻ります」

そう言うとハリスは執務室に戻っていった。


ロンは、ハリスの指示を先ほどの魔法師に伝えると自分も通常業務に戻った。


いちなの部屋に結界が張られてから2日目、昨日と同じように先にいちなの部屋の様子を確認しに行く。経過報告と結界の濃度を調べる。やはり前日よりも薄くなっていた。


「次は、午後にここにくるので引き続き警備をよろしく」


「「はっ」」 魔法師たちの敬礼を受けながらその日も通常業務を行った。


昼食を食べている時に、魔法軍専用のメッセージが飛んでくる。

ロンは慌てて確認すると、結界が消滅した模様との連絡が

すぐにいちなの部屋へ向かう


魔法師達の言葉通り目に見えた結界は無くなっていた。次にドアノブを触れると何も拒絶反応がなく開くことができた。


「良かった」

一安心したロンは早速いちなが眠っている部屋に入る。

カーテンで区切られているためそっとカーテンを開くと、2日前に自分が寝かせたままの姿で静かに寝息をたてていた。

「いちなちゃん…」

思いのほか顔色が悪いので不安になるが、呼吸しているのが分かっているので身体に触れての確認は止めることにした。


そのままドアを閉めて外側から鍵をかける。


「このまま、警備をよろしく。次は夜に確認にくるよ」

ロンはそう伝えると残りの仕事を終えに戻った。





夜、今日の仕事も終え夕食も取らずにいちなのベッドの前で軍服の襟元を緩めて一人用のソファーに体を預け仮眠をとる。

どれぐらい仮眠をしたのか分からなかったが、ベッドの奥でゴソゴソと布がすれる音が聞こえてきた。


ロンはカーテン越しにいちなが起き上がる影をみかけて慌ててカーテンを開けた


「いちなちゃん!」


ロンの短くて長い結界案件が終了した瞬間だった。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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