いちな、ロンに説得される!
ロスト 高橋いちな
オーモンド隊 隊長 ロン・オーモンド(少尉)
「いちなちゃん、いちなちゃん…」
「…なんですか」
ロンの声にやっと反応したいちな
「これからの事なんだけど」
ロンとの距離が遠すぎて声が聞きづらいのでベッドの中ほどまで戻ると、それまで見えなかった彼の表情がよく見える。どうやら少し困っているみたいだ
「これから寮に送ってもらえるんですよね?」
布団から顔の半分だけを出したいちながロンを睨むようにしながら訴える。
ロンは言葉を選びながら話し始める
「ちょっとそれは難しいかな」
「どうしてですか?ルーク王子にもハリスさんにもきちんと説明したと思うのですが」
「師団長がいちなちゃんにもう少し魔法の事について学んだ方が君にとってよいのではと言いまして」
「私にとって?」
「はい、この前は偶然エリーの攻撃魔法を「キャンセル」で無効にしましたが、どうしてそのような効果が発現するか分からないでしょ?」
ロンが小さな子どもに教えるように伝えると
「うん。たまたまです」
「それだけの魔力があるって事は今回は防御で役に立ったけど、本当に暴発してしまったら誰も止めることができないんだよ?いちなちゃん自分で止めれないでしょ?」
「はい、方法も分からないですし」
しょぼんとするいちな
「でも、ここで学べばそれを回避することができるよ。いちなちゃんもその他の人も魔王の爪痕を発現させる確立も少なくなるし」
「それに」
ロンは微笑みながら
「|魔法使ってみたくない?」
魔法の言葉をいちなに伝えるといちなはすぐに
「使ってみたい!」と答えてしまった。安直なヤツだった。
その言葉を聞いたロンは一つ手を叩くと
「そうと決まれば、いちなちゃんは魔法軍所属だね」
と嬉しそうに言った。
「えっ軍?入隊するんですか?」
動揺しはじめるいちなをロンが諭すように
「んーじゃあ、僕の隊に入る?」
「ロンさんの隊ですか?」
「そうだよ~。僕の隊は結構エリートなんだよ!」
「エリートなんですか!?」
興奮気味に反応したいちなを見ながらフフフと笑うロン
「そうだよ。私が、君の入隊を認めよう!」
ロンの上官っぽい口調に少し絆されそうになったが
「でも、やっぱりいいです。魔法を学べるだけで大丈夫ですから」
と雰囲気に飲み込まれずに辞退した。
「残念だね。でも、入りたくなったらいつでも言ってね」
あまりしつこく勧誘するのは得策ではないと思ったロンは綺麗にひいた。
「ただ、寮からここへ毎日通うのは手続きが煩雑になるから当分この部屋で生活してもらってもいいかな?」
「そうですか、じゃあ寮母さんへタグメッセージを送りますね」
いちながロッドを出そうとすると
「あっそれはできないんだ。外部への情報漏洩防止の為に軍部に所属していると送れるんけど、いちなちゃんはお客様だから。ごめんね。でも、僕から連絡しておいたよ」
ロンの勢いに負けていちなはうなずいた。
「じゃあ、今日はもう遅いし明日から魔法の座学と実技の勉強しようね」
「はい、分かりました」
いちなは安心したのかお腹がすきだした
「ロンさん、お腹すきました…」
ロンはいちなの言葉にはっとする
「そうだよね…二日も寝ていたらお腹すくよね」
「そうなんですよ…って二日も寝ていたんですか!!」
最後までお読みいただきありがとうございました。




