いちな、ありのままで魔王城に呼ばれる! 1
ロスト 高橋いちな
魔王様
楽しい内緒話の間、いちなはと言うと…。
目が覚めると豪華なベッドに寝ていることに気づく。
ベッド側はオーガンジーの布で外側に行くほど厚い布になっている。
とりあえず体を起こす
家を出るときに来ていた服ではない。白いシルク布の肩が丸見えのドレスだった。
「うひゃ~何これ?」
驚いて服を見回すがそれよりも異変を感じたのは髪の色だった。
「あれ?私黒髪だったよね?それにこの長さ、なんじゃこりゃ?」
黒髪が白髪みたいな白銀に変わり、長さも腰のあたりまである。肌も白い。
近くに鏡があるか探す。
部屋に姿見があったので覗いてみると、顔はそのままだったが、目の色が黒から灰色になっていた。
「え~誰これ???」
驚きすぎて声が出ない。
一人で口をパクパクしていると
「イニティウム、何をしているのだ?」
鏡の前でアワアワしているいちなに声がかかる
いちなは、声が聞こえてきた方を見ると
「魔王様?」
入り口のドアにもたれかかって呆れた表情でいちなを見ている魔王が立っていた。
「魔王様が、私の姿を変えたのですか?」
恐る恐る聞いてみる。
「私は何もしていない。その姿が本来のお主の姿だ」
「本来の?」
「うむ、お主が眠っていたので魂だけ呼んでみた」
「へぇ~」
「私、死んだんですか?」
いちなが焦ると
「…体は向こうにあるから大丈夫だ。お主の魂と体は魔力で繋がっているからな」
魔王は少しずついちなに近づく
いちなは、自分の姿がまだ信じられないので鏡の近くに行って目の色や髪の長さを確認していた。
「インティウム」魔王様の声に反応して鏡から後ろを向くと真後ろに魔王がいた
「まっ魔王様?」
魔王はいちなを抱きしめるともう一度インティウム…と呼びかける。
今日は、男性(魔王もカウント)に良く抱きしめられる日だな…。
ありえないんだけど…。と途方にくれていると
「アーテル・フィーニス・オプスクーリタースだ」
「えっ?」
「フィーニスと呼んでくれ。インティウムよ」
「どうして、私の真名を?」
いちなは誰にも伝えたことのない真名で呼ばれて怖くなった。
魔王は笑いながら
「昔は、お互いの名をそうやって呼んでいたからな」
いちなの長い白銀の髪を梳きながら答える。
えっ魔王様には三度目ましてなんだけど…。
夢の中で会ってましたよ系なの?
混乱するいちなに諭すように話しかける。
「この魂の前の持ち主は私の最愛の人だったのだよ。インティウムもクラシオンに生まれ住んでいたが私と共に魔王城に住んでくれた。長い間一緒に暮らしていたがどうしても肉体を保つことができなくなってな…。」
いちなの胸元についているタグを触りながら
「最後にこのタグを私に託し儚く逝ってしまったよ」
魔王はいちなのタグに自分の額をつけた後、いちなの手を引き
「せっかくここへきてくれたのだお茶でもしようでなはいか!」
といって目覚めた部屋を二人で出て行った。
手をつなぎ歩いていると
これ多分魔人なんだろうな~みたいな人々が魔王をみてお辞儀をする。
城の内装は重厚な趣で紫・赤・黒がメインカラーで統一されていた
いちなは周囲をキョロキョロ見ながら
「なんというか、魔王城っぽいですね」
と思わず言うと。
「そうだな…インティウムも一時期ぱすてるカラーというやつにいめちぇんしたいと宰相と揉めていた事があったのだよ」
魔王は思い出したのかクスクス笑いながら教えてくれた。
アーテル・フィーニス・オプスクーリタース(略して 魔王)
最後までお読みいただきありがとうございました。




