いちな、魔法軍に捕らわれる?
ロスト 高橋いちな
オーモンド隊 隊 長 ロン・オーモンド(少尉)
副隊長 イアン・グレイ
知らない場所に連れていかれたいちなは焦ってロンから離れようと抱きしめられている体を離そうとするが、元体育会系女子の力は成人男性には及ばす逆に拘束されるように抱きしめかえされる。
「ロンさん、どうゆうことですか!」
いちながロンの顔を見ようとしても片手で腰の部分をもう片手で後頭部を固定している為どんな表情をしているか分からない。
ロンの頬がいちなの頭に乗ってそのままいちなの頬まで滑る様に触れていく、嫌悪感はないが知り合いがする事ではない。貞操危機かも!と思い心の中で魔法を使おうとするが、思いのほか思考が定まらない。
気が付けば腰のあたりからポワポワと暖かい何かが流れてきていて全身に巡っていた。抱きしめられていて気づかなかったがいつの間にか自力で立てなくなっている。
最後の気力をふり絞りロンの胸元で
「どうして…」とだけ呟いて記憶が途切れる。
そのままいちなはロンに体を預けるように前に倒れこむ
ロンはいちなの耳元で
「ごめんね。少しだけ眠ってもらうね」
と囁くとこめかみにキスをし、そのまま縦抱きにしベッドに移動させた。
眠りについたいちなをしばらく眺めながら、先ほど自分がかけた魔法について考える。
いちなの魔力は自分よりも膨大な為、警戒されると魔法の効果が発揮できない。その為にわざと近すぎる距離をとって動揺させる状況を作ったのだが想像しているよりもいちなはロンに懐いていたのか魔法の効きが良かった。それだけ信頼してくれていたという事なのだと今になって分かる。
「そんな信頼もこれで消えてしまったかな」
思わず言葉が出たがその内容に少し悲しく思っている自分にショックを受ける。
仕事の一環として接しているつもりだったが、自分もいちなの事を良く思っていたのだなと…。
とりあえず、ハリスにいちなを確保出来たことを伝えるために客室からでる。客室のドアの前にはイアンが待機していた。
イアンがロンと一緒に移動する為、別の軍人がドアの前で警備する。
「客人が混乱しないために、外側から施錠をしている。ドアを叩いて声をかけてきても無反応でいるように。攻撃魔法などもっての他だぞ」
ロンはしばらく間をおいてから
「魔王の爪痕を残されぬようにな」
と一言付け加えてから部屋を去る。
「…随分と時間をかけて眠らせたね~」
イアンがニヤニヤと嫌味を言ってきたのでわき腹に肘鉄を入れる。「うっ」といううめき声が聞こえたが無視をした。
二人で廊下をスタスタと歩きながら会話を続ける。
「女性に物理で眠らせる訳にもいかないだろ」
と最もらしい理由を言うが
「そうですよね~。気になる女性に嫌われたくないですからね~」と肘鉄の痛みを忘れる前にイアンが再び揶揄って来た。
ロンは一度立ち止まり、イアンにとろけるような笑顔を振りまくと
「隊長…。」普段みない表情にイアンが怯む
その隙にイアンの膝小僧に懇親の一撃を与えると
「うわぁ~。俺を戦闘不能にしてどうするんですか!」
といいながらうずくまった。
「上官をからかうからちょっとした罰だなっ」と鼻で笑いながら先にハリスの執務室に向かった。
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