いちな、ルークの仕事場に呼ばれる!
ロスト 高橋いちな
魔法師団 総 督 ルーク・クレアシオン(クレアシオン王国 第四王子)
師団長 ハリス・フルーム
少 尉 ロン・オーモンド(旧ロスト対策室所属)
ルークの執務室のドアをノックしたいちなは、入れというルークの言葉にしたがって入室した。
「失礼しまーす」
職員室に入るノリで入室すると、机に向かって作業をしていたルークが席を立ちソファーに座ることをいちなに進めた。
「失礼しまーす」
一応座る時も一声かけてから座るいちな。
三人掛けソファーの真ん中に座ると、ルークはその正面に座った。近くにいた部下に飲み物を用意するように伝えると再びいちなの方を見る。
「さきほどいちなが言っていた魔王の爪痕なんだが…よほど、魔王様の怒りを買ったと見られるがいちなは大丈夫だったのか」
「はい、私はその魔法師の攻撃を受けようと覚悟をしていたのですが魔王様に助けてもらった感じになりますね」
ちょうどお茶とお菓子を持ってきた人がその部分だけを聞いて「えっ」という表情をした。
「お茶をありがとう。作業は一時中止でよいので隣の部屋で待機をしてくれ」
ルークの部下に伝えると「かしこまりました」と言い、ルークといちなにお辞儀をして退出した。
「話を中断させてすまない。…そうか、魔王様の保護があるかもしれないと」
「どうして助けてくれたのかは分からないんですよね。会ったのも一度だけだし。」
「まあ、そのタグケースを見ると理由はありそうだがな」
ルークはいちながつけいると思われてるタグの位置を見る。
「そうですね…。あっタグメッセージありがとうございました。返信が遅かった理由はそれだったんですよ」
「そうだったのか。それはタイミングの悪い時に送ってしまったのだな」
ルークは申し訳なさそうに言った。
「気にしないでくださいよ!」
「そうか、そういえばタグメッセージでも言ったのだが…」
ルークがその先を話そうとした時
ドアにノック音が響く
「フルーム師団長です。ルーク総督入室してもよろしいでしょうか」
ルークは小さく舌打ちした後、
「入れ!」と入室許可をだす。
ハリスとロンが部屋に入ってきた。
「あれ?イアンさんは?」人数が足りないのでロンに尋ねる
「イアン?」いちなが名前呼びをしたのでルークが反応した。
「ルーク総督、イアン・グライ副隊長の事です。」
ロンがイアンの紹介をした後
「彼には、私からお使いをだしたので大丈夫ですよ」とハリスが答えた
「そうなんですね~」いちなが答えた後
「二人とも座りなさい」とルークが指示をだす。
ハリスはいちなの隣に座り、ロンはハリスの後ろに立った。
「私は、ここで失礼します」とロンがルークに声をかけた。
ルークはそのことを気にせずハリスに話を始めた。
「先ほどの魔王の爪痕の件だが、やはり処理をした後からの報告は遅い。せめて、私に報告したのち、私からフィデス兄上に報告するのが筋だろう」
ルークは蔑ろにされた事に対し危機感を覚える。
「それに」
ルークはいちなの方を見て
「ロストが関わっているとなると尚更だ」
「本当に申し訳ございません。」
ハリスは謝罪することしかできなかった。
「いちなが帰宅したのちで良いので書類で報告を。この話は以上だ」
それを伝えるとルークは席を立ち執務用の机に移動した。
それを見たハリスが
「では、私たちはこれで失礼します。いちなさん、行きましょうか」
「はい」
いちな達が部屋を出るときにルークは顔を上げ
「いつでも、連絡して欲しい」
と一言付け加えた。
「ありがとうございます」いちなはお辞儀をした後ルークの執務室を出だ。
先に出た二人はいちなが部屋を出るのを待っていてくれたみたいだった。
「お待たせしました!次は、フルーム師団長のお部屋に行くのですか?」
いちながロンに聞くとロンが
「そうだね。でも少し時間が掛かったから今日は師団長との話し合いは中止です」
ニコリと笑いながら言った。
「そうですか、では私はこれで失礼しますね」
といちなはハリスにお辞儀をすると
「ええ、また明日会いましょう」とハリスも言葉を返した。
ハリスが執務室に戻るのを見送ると
「では、ロンさん送ってもらってもいいですか?私さすがに、この場所から家に帰れなくて」
「分かりました。では、こちらへ」
と言って手を出してきたのでいちなは何も考えずにロンの手をとる
その瞬間取った手をグッと引き寄せられロンに抱き着く形になった。
「では行きますね」
と抱かれたまま頭の上で言われたので驚いたいちなをロンと視線を合わせようと上を向いた瞬間
「えっ?」
見知らぬ場所に転移させられていた。
クレアシオン王国 王太子 長 男 フィデス
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