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LOST ~異世界だろうが恋がしたい~  作者: 鈴木 澪人
第一章

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いちな、ルビーの林檎亭で働く! 7(その後)

ロスト 高橋いちな

ロスト対策室 室長 ローラ・タイラー 

ロスト対策室 ロン・オーモンド

ルビーの林檎亭  女主人 アン 料理人 トム

アンの言葉で林檎亭の雰囲気は一層暗くなる。


ローラは皆を気遣いながら

「でも、フルーム師団長が適切な処理をしてくれると思いますよ」

と伝えると。


「その通りです。」

ロンが店内にもどりローラの言葉をフォローした。


「フルーム師団長も先ほどあの魔術師に対して適切な指示をだしていましたよ。とりあえず、当分このお店を開店させることができないので生ものなどの処理をして欲しいのですがアンさんトムさん明日の朝までに対応できますか?」


アンとトムはお互いを見ると二人で頷いた


「表向きには、魔王様が来たので少し体調を壊したと言うことにしておいてください」


「分かったよ。食材の処理はこっちでやっておくから、いちなちゃんを寮に返してあげてよ」

というと、アンはいちなの頭をなでて


「バルはやっぱり難しかったね。でも、いつもはあんな客こないんだよ。このお店が落ち着いたらまた働きにおいで、当分カフェだけでいいかなね」


「はい、ありがとうございます…。」


蒼白だったいちなの顔色に少しずつ赤みがましてきた。しっかりとした返事を聞きローラも安心する。


「いちなちゃん、落ち着いてきてよかったよ。じゃあ、寮に戻ろうか」

再び肩にふれた時には、いちなの体は震えなかった。

そのまま立つようにうながすと、ローラの言葉通り立ち上がりそのまま林檎亭の入り口のドアに向かう


「ロンさんはどうするのですか?」

帰ろうとするいちながロンに聞くと


「僕はもう少し、アンさんとお話をしてから戻ります。タイラー室長いちなちゃんをよろしくお願いします」


「そうね、了解したわ。明日()()()きちんと報告しなさいよ。」


と少し意味深げな言葉をかけるといちなと二人で店をでた。


二人が店を出るのを確認した後、ロンはアンとトムに向かって話しかける


「もしよければ、席についてこれからの話を少ししませんか?」


アンとトム対面にはロンの三人が座る。


「今日は、我が同胞がルビーの林檎亭にご迷惑をかけまことに申し訳ありませんでした」


頭を下げるロンに二人はとまどう


「えっいいよ。あんたお貴族さまだろ?見てわかるよ」

ロンの所作からアンはその身分を見破る


「そんなに大した身分ではありません。どこまでいってもその息子ですよ」

と笑いながらごまかした。

そして気を取り直して


「それでこれからのことですが、いちなちゃんをここで働かせるのを今日限りで辞めてもらうことはできますか?」


ロンの提案に二人は驚いた?


「どうしてだい?あの子は被害者だろ?」

アンの言葉にトムが頷く


ロンは言いづらそうに…。

「多分ですが、いちなちゃんが何かトラブルが発生すると魔王様が訪れる可能性があります」


「ええ…。」


「しかし、バルを開けているとこういう出来事って頻度が少なくても起こってしまうのも現実だと思われます。その度に営業停止をもらっているとこのお店自体の信頼度がね…。どうしても落ちてしまうと思うのです。」


ロンは悩まし気に

「そんな話をいちなちゃんが第三者から聞いてしまったらお互いギクシャクしてしまいますよね?」


アンとトムは難しい表情になる。


「ですので、従業員としてではなくお客としてこのルビーの林檎亭に遊びにきてもらう事がお互いの為になるのでは…。と僕は考えます」


「そうだね…。あんたの言う通りかもしれないね…。」

悲しそうにするアンの肩にそっと手を置くトム


ロンは明るい声に切り替えてから


「では、お手数ですがいちなちゃんに明日の朝でもそのようなタグメッセージを送ってもらっていいですか?それと、営業停止中の保障ですが、魔術師団からといちなちゃんからもらった魔石で賄いますので生活に困ることはないと思います。本来なら魔術師団からやりとりをしたいとおもうのですが、この出来事で信頼度が下がっていると思うのでロスト対策室の方の派遣を申請してみますね」


必要事項を述べるとロンはさっと席を立ち。


「それでは、よろしくお願いします」

もう一度深いお辞儀をするとそのまま店を出て行った。


ロンが最後にその店で見たのは雰囲気に飲み込まれた林檎亭の夫婦の姿だった。

ルビーの林檎亭を出て、御者にロスト商店街まで馬車を寄せるようにタグメッセージを送る。

一人歩きながら進捗状況を頭の中で確認する。


林檎亭で働く事を辞めさせる。

魔術師団に誘導する。

フルーム団長に報告

ついでに、タイラー室長にも報告


そして、いちなを優しく慰める…っと


最後は仕事ではなく個人的にやりたいことになっているか。

ふと、ロンは自分のタグを確認する。先ほどの魔術師とは違い黒に染まる雰囲気はない。

自分がいちなに近づく事には不快感を表してはいない…と。

今回の件でいちなを守っていることが魔術師団長の目に留まった。

彼が本格的にいちなを欲しくなるのも時間の問題なのかな~。

少し面倒だと思う。


「これ以上ライバルは増えてほしくないな」

思わず愚痴をこぼすと、自分の気持ちにこんな変化があった事に驚く。

フフフと笑いながら深夜のロスト商店街を歩くロンだった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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