いちな、ルビーの林檎亭で働く! 4(夜の部)
ロスト 高橋いちな
ルビーの林檎亭 女主人 アン 料理人 トム 姪 ジーナ・ヨーク
ジーナと二人きりになったいちなはフフフと笑う。
「訪問者の館の事は言ってないの?」
ジーナは苦笑いしながら
「一応、私ももうすぐ公務員の扱いになるんですよ。守秘義務の一環ですかね」
ジーナの話によると、訪問者の館で勤務することは決まっているが慣れるためにインターンとして働いていたらしい。学生寮で暮らしているがお小遣いも欲しいので叔母であるアンの食堂で働いているらしい。
「それにしてもいちなちゃんは、バルで働いたことあるの?」
ジーナはジーナでいちなの事を心配しているらしい。
「飲食店で働くことが初めてだからね」
と答えると。
「林檎亭にはそんなに悪質なお客さんはこないけど、やっぱりお酒が入ると人って変わりますからね。私は慣れていますが、少し心配です」
「フランクさんに言えませんよぉ~」
と困った顔でいちなに言った。
「とにかく、一度働いてみて駄目だったらアンさんに相談するよ。ありがとうね」
とジーナをなだめてバルについて説明をしてもらう。
「基本的に、カフェの時間帯と同じだけど単品も注文出来るようになるから配膳ミスに気をつけてね。分からなかったら叔母さんに聞けばいいから、伝票管理をしてくれてるから指示をてくれるよ。ママとしてお客さんの接待してるけど、分からかったら必ず確認してね」
と分かりやすく説明してくれた。
「あと!お触り厳禁だから何かあったらそれも叔母さんに即報告です!」
二つ目の説明には力を入れて言われた。少し怖かった。
「了解です!がんばります」
いちなはジーナに意気込みを見せるが
「はぁ~私これから館でミーティングがあるので帰らなきゃいけないんです。初日だけでも一緒にいれれば良かったのですが…。すみません。」
「大丈夫ですよ。なんとかなりますから」
後ろ髪を引かれるような感じでジーナはお店を出て行った。
「アンさん、引き継ぎ終わりました。まだ要領良くできませんがよろしくおねがいします!」
「トムさんもよろしくおねがいします!」
二人にお辞儀をするとトムは大きくうなずき、アンはなんとかなるって!と励ましてくれた。
バルが開店すると、少しずつ人が集まってきた。
たいていは、常連さんばかりでジョンとマットも疲れを癒しにアルコールを求めに来た。
「あっ、いちなちゃん夜も入れるようになったんだね。」
「今日が初日なのでよろしくおねがいします」
「まかしときな!とりあえあず、ビールで」
「俺もお願い」
二人の注文を受け付けるとアンにオーダーを流した。
カウンターから大きなビールジョッキがゴンッとなり
「いちなちゃん、その二人に持って行って!」言われ
すぐに渡した。
「じゃあ、いちなちゃんの初日にかんぱーい」
「かんぱーい」
いちなが夜働くと言うだけで、ジョンとマットは酒の肴になるみたいだった。
「おじょーちゃん、こっちも注文よろしく」
あちらこちらから声をかけられいちなは目を回しながらなんとか乗り切る事ができた。
客が少し落ち着いたら片手で摘まめる物をトムが用意してくれて口の中に流し込む
その間はアンが対応しているからだ。
「トムさん、ごちそうさまでした」
他の客に聞こえないようにお礼をいう。
もちろんトムはうなずいてその皿を回収してくれた。
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