いちな、就職活動を始める! 後編
ロスト 高橋いちな
ロスト対策室 ロン・オーモンド
「ロンさんってやっぱりお坊ちゃんなんですね~」
といちなが突然言い始めた
ロンはいちなを見ながら
「そうです…ね。いわゆる名家と言われている家かもしれないです」
「変ですかね?」不安げにいちなを見るロン
「いえいえ、変ではないですよ。むしろ庶民の私の担当で申し訳ないと思ったりして」
「そんなことないですよ。思っていたより話しやすくて良かったです」
「私もそう思いました!」
二人は目が合うとフフフと笑った。
いちなはそのまま店先をみると
「あっ!」と声を上げる
「どうしたんですか?」
「あれって、人手を募集していますよね?」
いちなが指を指したのは、昼はカフェ、夜はバルのかわいいお店だった。
「え~と、お店の名前は…。」
いちなが古ぼけた看板の文字をジーっと見ていると
「『ルビーの林檎亭』だよ!」
と後ろから女の人の声が聞こえる。
いちなと、ロンが振り返ると両手いっぱいの紙袋を持った綺麗な女性が話しかけてきたのだった。
「あたしの店に何かようかい?」
女性はいちなに声をかける。
いちなはドキドキしながら
「えーっと、この張り紙って人を募集していますよね?」
「ああ、そうだよ。このところ忙しくてね。猫の手も借りたいぐらいだよ」
と言いながらお店のドアを開けようとする。
いちなはそのドアを開けながら
「もしよかったら、私を雇ってくれませんか?」
勇気を出して言ってみた。
「空いている席に座りな。あたしは、荷物を置いてくるよ」
といってしばらく席をはずした。
「ロンさんまで付き合ってもらってすみません」
ロンに謝るいちな。
「いえいえ、これも含めてのお仕事です」とロンは気にしてないことを教える。
しばらくすると、いちなとロンが座りその対面にルビーの林檎亭の女主人が座る。
いちなをジロジロ見ながら女主人が話始めた
「あたしの名前はアン、ここの主人さ。旦那がコックをしているんだ。手伝いに姪がきてくれていたんだけど、もうすぐ正式に採用されるらしくてここを手伝うことができなるなるのよ」
「初めまして、いちなと言います。」
「あんた、いくつ?」
「18歳です。」
アンはいちなをもう一度見る
「二人雇う予定なんだけど、あんたやってみるかい?」
「いいんですか?ありがとうございます。」
次にアンはロンを見ると
「あんたは、役所の人だろ?副業は禁止だよね?」
ロンは営業スマイルをしながら
「僕は、いちなちゃんの友達でたまたま出会ったんです。」
と息を吸うように嘘をつく。
それを聞いていちなは、ギョっとするがそうゆうものなんだろうなと思いそっとしといた。
「んじゃ、いちなちゃんは採用ね。いつから来れる?」
「明日からだと大丈夫です。」
アンはうなずくと
「じゃあ、明日の昼から来ておくれ。ちなみにどこに住んでいるんだい?」
と聞かれたので
「商店街の近くの帰依荘です」と答えた。
アンはえっという表情になると
「あんた、もしかしてロストなのかい?」
と聞かれたので。
「そうですね~。そう呼ばれてます」と照れながら答えた。
そして
「ロストだとやっぱり不都合ですか?」と尋ねると
「だっ大丈夫だよ。特にダメってことはないんだけど、本物のロストさんを見るのが初めてで驚いただけさ…。」
アンはいちな見つめると
「まぁ~始めは慣れないかもしれないけど、フォローするから頑張りな!」
と言って立ち上がりいちなの頭をガシガシなでた
「ありがとうございます…。」少し胸がジーンとしたいちなは、目が熱くなったことを隠すために下を向いた。
それをロンは横でなんとも言えない表情で見ていた。
アンとの面接が終わったのでそのまま商店街に戻り帰依荘に帰ってきた。
ロンも一緒に帰依荘で昼食を食べると一度役所に戻るのでいちなと解散することになった。
別れる際にロンに
「もしよかったら、タグ交換してもらってもいいですか?」
と聞かれたので
「はい、大丈夫ですよ」と答えタグを重ねた。
「午後から外出予定ですか?」
「今の所用事もないので魔法の練習でもしようかなと思っています」
と答えると
ロンが
「攻撃魔法系は避けていただければ嬉しいです…。」と言いずらそうに伝えた。
いちなは笑いながら
「大丈夫ですよ。第一回モーション研究会を一人でします」
と言うと
「あー。誰しもが通る黒歴史ですね」
とサラっと毒舌を吐かれた…。
「ロンさん、もう少し表現方法があると思うのですが!」
と軽く抗議をしたいちなでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。




