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LOST ~異世界だろうが恋がしたい~  作者: 鈴木 澪人
第一章

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いちな、就職活動を始める! 前編

ロスト 高橋いちな

ロスト対策室 ロン・オーモンド


歓迎会が始まるまで時間があるのでその間に…。

二人で商店街に繰り出したのだが、お仕事探しというよりもいちなとロンの商店街見物になっていた。


「ロンさんはこの商店街を利用したことありますか?」


「実は、ないんですよね。僕は仕事柄もう少し王宮よりに住んでいまして」


ロンの言いたいことがいまいち理解できないでいると


「いわゆるお貴族様が使用するエリアに住んでいますね」


その言葉を聞いて

「おぉ~。もしかしてお貴族様ってやつですか?」

興味深げにロンをマジマジとみた。

ロンは少し目元を赤らめて


「そんなに大した立場じゃないですし、貴族っていうのは存在しませんからね」


「あっ確かに講習会でもそう教えてもらいました」


「ちょっと軍閥ってだけですよ」

と照れながら答えた。


「それって…。」

特権階級やん!って思ったがいちなは言わなかった。


商店街は今日も人が多く、活気があふれていた。

客に掛け声をかけている人や、買い物客どうしの会話、小さい子が珍しい物を見つけてねだっている様子など、ここを訪れる度に色んな表情をみせる。


楽しいな~と思いながらゆっくりと歩いていると


「いちなちゃんは、自分の世界が恋しいと思いますか?」

ロンが何気に聞いてきた。


いちなは少し悩みながら…。

「それはやっぱり、寂しいですよ。こちらの世界に来ただけで向こうの縁づいていた人たちに忘れられてしまうんですから」


いちなは、ロンの方をみずに店先に視線をやる。


「そうですよね。すみません。変な事を聞いて」


いちなは笑いながら

「まぁ~人恋しくはなりますよね」

と言いながら手をつないでいる親子を見る。


「そうですよね」としかロンは言えなかった。

何かを思いついたロンはいちなの右手をそっと持ち


「いちな様、もしよろしければ今度私のいきつけのお店にご一緒していただけませんか?」

と紳士がエスコートする感じでいちなを誘ってみた。


いちなは、一瞬理解できなかったが自分の状況に気が付き顔が真っ赤になる


「えっあっ、えー!!」

言葉にならずアワアワしているとロンが笑い出し


「ちょっと話が重くなったのでお貴族様の方法でお出かけを誘ってみました」

とニヤリとしながら種明かしをした。


いちなは、ロンが触れている手をパチンと叩くと


「お前の血の色は何色だぁ~」と言いながらロンを叩こうとするので


ロンはそれを避けながら

「ご勘弁を~」と笑いながら言って逃げて行った。


追いかけながらも、いちなは考えた。


えっ私この人と今日あったばかりだよね!なんなんこの状況!!


ロンは運動神経が良いらしくいちなが追いかけても全然追いつかなかった。

息切れをしたいちなは気が付けば商店街の端まで来ていた事に気づく。


「あっ商店街終わりましたね…。」

アーケードが終わっていても、店はまだ続くが少し商店街とは雰囲気が違った。


「そうですね。こちらが本来の市場になりますね。商店街からの帰りの客を狙って自然に出来上がったものかと思われますね」


とロンが説明してくれた。

いちなは気になったのでそのまま進もうとすると


「えっこの先も行くのですか?」とロンに止められる。


「ダメですか?ここはここでいい雰囲気出てるな~と思いまして」


ロンも特に止める理由がなかったらしく、いいですよと言いながら歩き進めた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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