いちな、歓迎会を催される! 2
ロスト 高橋いちな
ロスト対策室 ロン・オーモンド
ロンは笑顔で
「えっいいんですか?では、室長に許可を貰ってから…。」
と言うと
内胸ポケットからペーパーナイフ型のロッドを取り出し
「えっ~と『今日は、いちなさんの歓迎会が寮であるみたいなので参加していいですか?』っと」
空にメッセージを書くとタグのあたりを左手で握りしめ
「ローラ・タイラー」と唱えた。
すると、メッセージが光の塊になって紙飛行機の形に変化するとそのままどこかへ飛び立った。
いちなは、この人は書く言葉を話すタイプなんだと思いながらその風景を見ていた。
もう、驚かない。
「あっオーモンドさん「ロンと呼んでください」」
「ロンさんは、魔法じゃなくて物を媒体にする人なんですね?」
といちなはハリスから習ったばかりの知識を確認してみた。
ロンは少し驚きながらも
「そこの事情を知っているんですね…。そうなんです、私は役所に勤めていますが所属は軍部なんですよ。一応、いちなさんの護衛も兼ねています」
と言いつつ
「あっでも僕、魔王様とかは全然無理ですからね。すみません。」
頭を掻きながら誤魔化していた。
マジか~、魔王対応してないのか…。
いちなは少し残念に思った。
「なんか、色々考えてくれているんですね。」
「僕はあまり詳しくないのですが、いちなさんちょっと界隈では有名ですよ?」
「ソウナンデスネー」
久しぶりのロストだからバズっているのか…。面倒な。
身辺警護が必要な有名さって嫌だな~。
「あっちょっと待ってくださいね」
ロンが急に止まった。
どうやらローラから返事が来たみたいだ。
「えーっと『歓迎会に参加することを許可します。大丈夫、私とマークも空いてます』だそうです…。」
「参加人数増えました?」
「増えましたね…。」
「ちょっと、ジェマさんに伝えてきますね。ん?私もメッセージ出してみます!」
いちなは、シャーペン型のロッドを出して
『ロスト対策室のローラさんとマークさんも歓迎会に参加するそうです』と机に向かって記入するとタグを握り
「ジェマ・トオマツ・パッカー」と唱えメッセージを送った。
白銀の光がそのまま寮母室に向かう
「どうですか?ちゃんと出来てますかね?」いちなは嬉しそうにロンと見ると
「あっええ、上手に送れてますよ」と伝えた。
「どうかされましたか?」といちなが聞くと
「あー、いちなちゃんが噂になっている理由が分かったような気がしました…。」
とだけ言うと口を閉ざしてしまった。
「ところでこれからどうしますか?」
ロンがいちなに聞いた。
「そうですね。実は商店街でお仕事を見つけることができればいいなと思いまして…。」
いちなが希望を言うと
「そうなんですね。てっきり魔法師団の方に行かれれると思ってました」
ロンは驚きながらいちなを見た。
「まだ、区切りがつかなくて…。」
いちなは魔法に興味があるが深入りするのは躊躇していた。あまり使ってはいけないような気がするからだった。
そんな表情のいちなをロンは観察しながら
「ゆっくりでいいと思いますよ。時間はたくさんありますしね」
優しく声をかけてくれた。
「はい。ということで、今から商店街にお仕事探しに行こうと思います!」
「お~。」いちなの意気込みをみてロンが小さくパチパチと叩いてくれた。
最後までお読みいただきありがとうございました。




