いちな、講習会に臨む! 2日目 午前
ロスト 高橋いちな
魔法師団長 ハリス・フルーム
二日目の朝、いちなは役所の案内で昨日と同じ場所に案内される。既にハリスは到着していたみたいで、書類作業を軽く行っていた。
ハリスはルークと同じ水色の軍服で左胸のあたりに階級章と見られるものが付けられていた。
「おはようございます。遅かったですか?」
いちながハリスに尋ねる。
「大丈夫ですよ。私が早く到着しただけですので」と言いながら書類を片づけた。
お互い椅子に座ると。ハリスが早速話始める
「昨日のルーク王子のお話はどうでしたか?難しくなかったですか?」
「はい、大丈夫です。なんとなくこの世界の事が分かりました」
「そうですか、それは良かったです。今日は、魔法関連についてのお話をさせていただきますね。」
「はい、よろしくお願いします」
「始めに、この世界の人は基本的に魔力を持っています。欠如したり少ない方もいますが真名を持っていなくて魔法に変換できない人は体調が崩れるということはありません。逆に魔力過多の人が魔法を使用出来ない場合は、体調が悪くなるのでいちなさんも始めに使用した「魔道具」を使って強引に吸引します。」
といいながら、魔力吸引君(改名いちな)をポケットから出してきた。
お高い割に雑な扱いだった。
「その魔力は、役所で買い上げるシステムもありますし生活魔法を使用するためにご自分で持っていても大丈夫です」
この役所にも処置ができる場所がありますよ。と教えてくれた。
「次に、真名を授かった方ですが、その人は魔相環を出現させてもらいます。」
ハリスは言いながら自分の魔相環を出して見せた。
「実は、これは仮の姿なんですよ」
と言いながら、前回見せてくれた一部が緑になっている魔相環に
「ファクト」と唱えると
円の半分が色づいた。時計で言うと12時から6時の間を黄色~緑~青の順にグラデーションになって表示された。
「えぇ~」 魔相環が変化したことに驚いたいちなはハリスを見つめた。
「本来はこんな感じですね。じゃないと魔法師団長なんて勤められませんよ」
とニコッと笑いながら言われた。
「ちなみに、色と使える魔法の関連ははっきりとは解明されていません。赤は炎、青は水とかぐらいだったら分かっているんですけどね」
自分の魔相環を指さしながら
「この黄緑とか何ができるねん!って感じですよね」
いちなは確かにと思いながら頷いた。
「話を戻しますと、この魔力が強くて運動が好きまたは運動神経が良い方は軍部に行くことを国としては推奨しています。運動は苦手だなと考えている方は研究方面ですね。基本的に国の中で生活してもらうようにしてもらっています」
「科学も発達しているといいながら、あまり一般の生活には密着できていないんですよ。
ほら、魔法って便利じゃないですか。魔法の補完として科学がある感じですね」
「ですので、いちなさんもできれば私達と一緒に活動してもらえると助かります。」
ハリスはそういいながら小さくお辞儀をした。
「はぁ~そうですね。」
「次は、このネームタグですね。」と言いながらハリスがネームタグを取り出した。
「この世界では、自分の分身と思ってください。自身がこの世から存在しなくなっても魔法で創造されてこのタグは残ります。ですので、墓地にはこのタグが埋葬されます。」
ハリスが自分のタグを握りしめながら
「そして、このタグが消滅した時は、来世に行くことができたと言われています。ちなみに、魔法が使えず役所で発行してもらったタグに魔法刻印している場合は、その文字が消えると来世に行くことができたと言われています」
「私自身は眉唾ものだと思っているんですけどね。民衆心理なのかなって思っています。」
「ですので、もしご自分の最後の時が来ると思ったらこのタグを最愛に渡してあげてください。」
それが、この世界では最後の告白になるのです。
「そのタグを元に亡くした悲しみを乗り越えてその人の分まで生きようと思う希望にもなるんですよ。」
ハリスの言葉を受け、いちなは自分のネームタグを取り出して見つめた。
「なんだか、とても重いですね。」
いちなはつぶやくと
「そうですね、そういう理の世界ですね」
とハリスもいちなのつぶやきに同意した。
最後までお読みいただきありがとうございました。




