いちな、役所へ行く! 前編
ロスト 高橋いちな
ロスト対策室 室長 ローラ・タイラー 室長補佐 マーク・パイク
元ロストの方々とお別れをして、役所へ行く。ロスト区域の対応なので商店街の外れにあるらしい。マークもそこに車を止めにいったらしい。返ってこないのは多分、仕事を押し付けられてるかも。私の…。と遠い目をしながらローラが言っていた。
がんばれ、室長補佐。
役所は三階建てのシンプルな建物だった。中に入ると日本の役所と同じで番号と簡単な手続き内容が表示されている看板が天井からぶら下がっていた。
「いちなちゃんは、ちょっと別枠なので私の部屋に来てもらうね」
そう言って二階にあるローラの室長室へ行くことになる。
ノックもなしに入ると、朝会った時よりもゲッソリとしたマークが机で書類整理に追われていた。
「お疲れ!マークちゃん、お仕事はかどってる?」
ローラは嬉しそうに聞いてきた。
「お疲れ様です。安心してください。室長の決済はきちんと横によけてますよ!」
精一杯の嫌味を返していた。
ローラはえーっと言いながらその書類の量を見て
「今日は、いちなちゃんの対応で無理かもしんない」と言い訳をしていた。
気を取り直して
「ごめんね、とりあえずソファーに座ってくれる?必要なブツ持ってくるわ」
と言って部屋を出て行った。
室内はマークのサインをしているだろうペンの音と書類をめくる音しか聞こえない。
いちなは手持ち無沙汰になって、部屋を観察しだした。
うん。特に珍しいものはないな…。
しばらくすると、お待たせ~といいながらローラが戻ってきた。
「じゃあ、住民登録するね。必要事項は昨日魔術師団長様が作成してくれているから、ここに「魔力を込めて」名前を書いてくれる?あっそちらの言語で大丈夫だよ。あと、真名をもし持っていてもそれは記入しないでいいから。あれはあくまでも魔法関連でしか意味を持たないから必要以上に目の付く所に記さない方がいいのです」
いちなはいまいち魔力の使い方が分からなかったがとりあえず意識しながらガラスペンみたいな筆記用具で「高橋いちな」と記入した。
すると、その文字は白銀色に光ってからこちらの言語であろう言葉に変換され住民票に名前を載せた。
「これで大丈夫ですか?」いちながローラに確認すると
ローラがぼーっとこちらを見ていた。奥にいたマークもこちらを見ている。
「大丈夫ですか?」もう一度問いかける
「ごっごめん、あまりにも魔力が綺麗だったから見とれてしまいました」とローラが言うと後ろでマークも激しく同意していた。
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