いちな、王宮へ行く!(懇談編) 5
元ロスト 高橋いちな
ロスト商店街 組合長 津久井 耕太郎
クレアシオン王国 現国王 ソル・クレアシオン
第3王子 ルカ・クレアシオン
第4王子 ルーク・クレアシオン(総督)
「ちょっと!父上、団取りちゃんとしてくださいよ!」
ピンクゴールド王子(いちな命名)がドアを開けて入室した旨を伝えようとした従者よりも先に声をかけてしまったので、従者がアワアワしていた。
「あっ君、もう大丈夫だから。外でお茶の用意をお願いね」
動揺している従者に次の指示を与えると、まったくもぅ。と少し怒りながら改めて津久井といちなの方を見て挨拶をする。
津久井といちなは直ぐに立ち上がり、ピンクゴールド王子の方を向く。
ピンクゴールド王子は自己紹介しながら自分が座るソファーへ移動しながら国王に座る場所を誘導し、その後に苦笑いしながらついてくるルーク王子が続いた。
「こんにちは、津久井さん。初めまして、高橋さん。僕はクレアシオン王国第三王子のルカ・クレアシオンだよ。ルークに一番近いお兄様です」
とおどけて自己紹介をしてくれた。
国王と王子が座って、いちなと津久井にも座る様に促されたので対面のソファーに座る。
「お久しぶりです。津久井です。この子が、高橋いちなちゃんです」
いちなは一度座ったが、立ち上がり
「初めまして、高橋いちなです」
と言ってお辞儀したあと再び座った。
それを見てニコニコしながら頷くと国王が声をかける
「私が、現国王 ソル・クレアシオンだよ。よろしくね」
と気さく自己紹介をしてくれた。
「よっよろしくお願いします」
あまりにも緊張したのでいちなは思わず言葉がつっかえてしまった。
「いちな、そんなに緊張しなくても父上はそなたを取って食べたりしない」
とルークにツッコまれてしまった。
それに反応して顔が赤くなるいちなだった。
「えー、ルークだけ高橋さんを名前呼びしてるの?ねっ僕もいちなちゃんって呼んでいい?」
ルカのお願いにいちなは、ぜっぜひと答えた。
王室の人ってこんなに話しやすい人ばかりなんだな~。と感心していると。
「いちなちゃん、絆されるのは駄目だよ。これから大事な話し合いが始まるからね」
いちなの考えを読み取られたような津久井の発言に驚き、思わずギョっとした。
ソルは笑いながら
「こーちゃん、そんな我々の『王室って意外と気さくな人なんだな作戦』を壊すのやめてくれないかなぁ~」
と口を尖らせながら抗議してきた。
えっそんな作戦ってありなの?
単純な作戦だなっと思いながら思いっ切り引っかかっている自分に少し自己嫌悪をしていた。
「父上!我々はそんな作戦とか立ててないでしょ!元々こうゆう雰囲気じゃないですか!だから謁見室ではあのようなパフォーマンスをわざとしているのに」
ルークは全てを暴露した。
「あはは、ごめん、ごめん。」
ソルはおちゃめな表情でルークに謝っていた。反省はしていないが。
そして、そのまま津久井に話しかける。
「ところで、謁見内容を読んだけど。こーちゃんかなり怒っているね。一体なにがあったの?」
そう言いながらソルは、手を前に出すとタブレットが現れ津久井の謁見資料を眺めていた。
「そーちゃんには、こんな形で会うのは嫌だったけど、今回の内容はちょっと見過ごすことができないなって思って」
ソルはえー怖いな~と言いながらタブレットで内容を確認すると、少し表情が厳しくなった。
「ルーク君」
ソルはルークを呼ぶと
「はい、父上」
ソルはタブレットを指でトン、トンと叩く。
「これは軍事部門の問題だね。どうして、こんな騒ぎになったの?」
ソルの言い方が気になったらしくルカも自分のタブレットを出して確認する。
「ん~。久しぶりに魔法軍が暴れているね?ルークの魔法軍贔屓論が再発しそうだね?」
二人の指摘にルークもタブレットを取り出し確認する。
「この件については、津久井殿、いちな、本当に申し訳なかった」
ルークはその場で頭を下げる。
「そっそんな」
いちなは両手で大丈夫ですというジェスチャーをしようとするが
「そうですね。正当な理由もなく女性を軟禁するのは本当によくないです。しかも彼女はロストされたばかりで、この世界の常識を理解していないのを利用している節があります。本当に悪質だと思います。」
津久井は、ルークを見ながらはっきりを意見を出した。
最後までお読みいただきありがとうございました。




