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大樹の元に~前提条件が壊れた結果  作者:


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4/23

転生前~~~~アリサの場合

内気ヒロインですが中身が肝っ玉母さんなので・・・

こちらも設定のみで初お披露目です

2年前、長年連れ沿った亭主に先立たれた。

癌だった。

気付いた時には手遅れで2年程闘病生活の末、亡くなった。

長男長女が結婚して双方の孫の顔を見れたことをことのほか喜んでいた。

引っ込み思案だった末っ子が婚約者を連れてきて、娘の花嫁姿を見るんだと言ったところで時間切れ。

写真館で撮ったウェディングドレス姿の写真を胸に冥途へ旅立っていった。

それから2年、喪が明けて無事、末っ子は結婚式を挙げた。

親族席には父親の遺影が置かれている。


結婚式が終わり、2次会は友人達と過ごすと言って、披露宴で親族であるアリサや兄姉一家はそこで分かれた。

式場から最寄り駅に着く。

「母さん、車を取ってくるからここで待っていて。」

長男がアリサに声を掛けて駐車場に向かう。

「ママ、いい子にしていたからご褒美!」

長男の嫁さんはアリサに一声掛けて、孫と一緒に近くのケーキ屋に行った。

駅前の広場で遺影を抱いたアリサは1人夕闇が迫る空を見上げる。

「あの子も嫁に出したし、さてこれからどうしようかねえ。」


真面目で融通の利かない長男は、嫁さんのお陰で随分と丸くなった。

会社では強面で通しているようだが家では息子と猫にメロメロである。

愛息子や愛娘(猫)の写真を家族に散々送り付けてくる。

美人で派手、気の強い長女は旦那さんの前ではとっても可愛らしいらしい。

手料理で議実家の胃袋を掴んだ娘は見た目と違って家庭的なお嫁さんだと中々の評判だった。

久しぶりに顔を合わせた婿さんと孫の様子を見る限り仲が良さげで安心している。


今日の主役はそんな二人に比べるとかなり大人しかった。

我を表に出さず家で本を読んでいるのが好きな子だった。

上二人と少し年が離れていることもあって一緒に遊ぶことはあまりなかったが仲は悪くなかった。

長男は病で倒れた夫に代わって相手の性根を確かめると言って飲みに連れ出し、酔っぱらって嫁に叱られた。

長女は胃袋を掴めと妹と二人で料理教室に出掛け・・・アリサの料理の方が美味しいと言って戻ってきた。

「二人で仲良くゲームしているんだから放っておけば良いのに。」

そう呟いてアリサ前には笑う。

引っ込み思案で一時期不登校になり掛けた末っ子は友人に勧められたゲームで立ち直る。

切っ掛けとなったゲームはとにかくイベントが多かった。

そして授業がシビアだった・・・

最初はお任せで組んでいたスケジュールを自分で組むようになるとたちまち留年の危機。

土台が大事で基礎の上に全てが成り立っている理解した娘はそれを現実にも当てはめた。

今まで言われるがままにやっていたことを自分で考えてこなすようになる。

理不尽で意味不明だと思っていたことの意味が読み取れるようになり意欲が湧いてくる。

自分には合わないと思うことを止め、自分の土台作りを始めた結果、成績も人間関係も良くなった。

そして巷に溢れる乙女ゲーム類を見て、

「お花畑・・・」

と言った。

可愛い、綺麗なだけ、はたまた強いだけで何とか成程世の中、甘くないと・・・

夢見がちだった娘は現実を見て気配り、根回し上手になった。


そこまで子供達+夫と二人三脚で過ごしたアリサは今日から一人になる。

「さてどうしようかねえ。」

そう呟いて顔を上げたアリサの前に車が突っ込んできた。

閲覧、有難うございます。

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