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大樹の元に~前提条件が壊れた結果  作者: 秀


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24_最初の順位戦_2

サーシャのやらかし回

順位戦に向け、ポリーと修行に付き合うことしたサーシャはとある道場に向かった。

そこはポリーやクレスの実家の近くであり子供の頃からお世話になっていたところだと言う。

当然、アンナもそこで修行した口でサーシャは3人と一緒である。

「学園の修練場を使えれば良かったんだけどな。」

クレスの言葉にポリーが首を横に振る。

「駄目だよ。サーシャが目立つ。」

「で、師匠に話はしたの?」

「はい、朝一に手紙を送って。午後には返事を貰ってます。」


そうこう話しながら道場に入った。

「失礼します。」

奥から道場主と師範が出てきた。

「よく来たな。でそっちが例の・・・ってあの時の迷子の嬢ちゃんか。」

サーシャは苦笑いして礼を述べた。

「あの時はお世話になりました。」


学園都市について直ぐに入寮手続きを済ませたサーシャは学園都市内を散策していた。

ゲームと実際の街並みの差異を確認したかったのと同時にイベント発生場所を予め見ておきたかったのだ。

気分は聖地巡礼である。

そうやって幾つものポイントを見て回るうち、迷子になったのだ。

「あれ?ここに確かベツコーイ家の商会の建物があった筈なのに?」

軒先に掛かる看板は別の知らない商会の物。

街の構造は同じなのに目印が違う。

「さっきのユニコーンの像がある噴水は同じだったけど通りを進んだ次の双剣の看板が無い。」

ぶつぶつ呟きながら歩く姿は目立っていたようで、迷子を疑われて衛兵が呼ばれてしまった。

その時にサーシャの相手をしてたのが道場主である。


「サーシャが迷子って一体どうしたの?変なもの食べた?」

市場での買い物などで地元民でも知らないような店を迷うことなく探す姿を何度も見ている。

「えっと、教えて貰った地図が古かったみたいで・・・」

「ああ、ここ数年あっちこっち入れ替わりが激しいからなあ。」

その言葉で3人は納得した。

自分達が利用するような店は代わり映えしないが、大通りの大店が気が付いたら別の店になっていたと言うのはよく見かける話である。

「行こうと思った場所が違う店になっていて・・・魔道具屋を探していたんだけど・・・」

「魔道具屋?来月から働く予定の店は確か雑貨屋だったよね?」

ポリーの言葉にサーシャは頷く。

今の時期、ゲームで出来るバイト先で一番教養が上がるのは雑貨屋だった。

そこである程度働けば骨董屋のバイトを紹介して貰えるところである。

「持ってきた道具の手入れ用消耗品を買える場所を探していたんだ。」

これは表向きの理由。

実際は3年時、王太子またはファビアンルートでとある事件の解決で訪れる場所である。

「ああ、それなら」

と別の場所を教えるアンナ。

「有難う。その店を教えて貰ったんで時々補充に行っている。」

実際はサーシャがネロから持ち込んだ素材を売っている。


そんなこんなを話した後、道場の一角でサーシャとアンナが向かい合った。

手には訓練用の木剣が握られている。

「・・・」

「・・・」

「どうしたアンナ。足が止まっているぞ。」

師範の言葉に弾かれたようにサーシャに打ち込むアンナ。

結構鋭い突きだったが、あっさり弾かれて首筋に木剣を突きつけられた。

「勝者、サーシャ。」

暫く繰り返したが誰一人サーシャをとらえることは出来なかった。


一息ついたところで道場主が言った。

「・・・威圧か・・・俺でもあれをぶつけられて動けるきがせん。」

その言葉に膝をついて荒い呼吸をしているクレスが頷く。

目の前のサーシャは涼しい顔をしている。

「この程度の威圧で動けないようだと勝つの難しいよ。」

「そうだな。高位貴族のボンボンは能力だけでなく権力でも圧を掛けてくるからな。」

サーシャの言葉に師範が補足

「それらをうまく受け流す術を覚えないと街の衛士になれないぞ。」

「多いんですか?」

「ああ、今の時期浮かれた餓鬼共が悪さして叱ると実家の名を出すなんてことを日常茶飯事だ。」

「で、そういう時はどうするんです?」

「出してきた家に連絡して引き取ってもらうよ。

或いは学園に連絡する。」


「それはそうと格上と勝負して気合負けしないようにするのは良い方法だな。」

「ええ。貴方達が本来の実力を出せばもっと良い勝負になるはずですから。」

「一休みしたら今度は我々の相手をしていただけますかな。」

「分かりました。」

最初は師範がサーシャと向き合う。

開始と同時に打ち込んでくる師範をあっさりいなす。

続けて回り込むように払いを入れるのを同じように躱す。

先程とは異なる激しい打ち込みが繰り広げられた。

「サーシャ、攻撃しないね。」

「ああ、何でだろう」

「あいつを怪我させない為だろうな。」

道場主の言葉に

「怪我をさせない?どういうことです。」

「下手に受けたりしたらあいつの木剣が壊れる。」

「はい?サーシャのは壊れないんですか?」

「ああ。彼女はうまく力を受け流して剣に負担を掛けないようしている。」

道場主の解説を聞き暫くすると動きが変わった。

躱すだけだったサーシャが攻撃を混ぜてくる。

同時に威圧のレベルが少しずつ上がっている。

「勝負あり。」

師範が攻撃を躱しそこねて威圧をもろに受け膝をついたのだ。

「次は私だな。」

嬉しそうに交代する道場主。

この訓練は寮の夕飯の時間になるまで続けられた。

閲覧、有難うございます。

面白いと思ったら評価をお願いします。


お暇する時間には道場では死屍累々

何故か皆満足そうに笑ってます・・・

サーシャも久しぶりに暴れられて満足

この日から街の衛士に姉御呼ばわりされます。

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